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紙メディアのクリッピングからデジタルへ!広報の仕事はどう変わる?


Meltwater Japan

Mar 8, 2019

以前は「出勤したら午前中は新聞をクリッピング」という方もいらっしゃいましたが、ここ数年でクリッピング業務を見直す広報は日本でもかなり増えています。そこでデジタルメディアのモニタリングならではのメリットや、デジタルが広報の仕事をどう変えているかについて、海外の動向も交えて紹介します!

一方で「紙のクリッピングもまだ必要」という方も多いはず。そんなときの対策もお伝えします。

デジタルメディアをモニタリングするメリットって?クリッピングとの違いとは

デジタルメディアのモニタリングについて、代表的な4つのメリットをまとめてみました。
※ここでいう「デジタルメディアのモニタリング」とは、専用ツールでニュースサイトやソーシャルメディアなどをチェックすること。例えばMeltwaterのツールは、キーワードを事前登録すると国内外のデジタルメディアから対象記事を自動抽出。掲載数を集計できたり結果をメールで配信したりする機能もあります。

1) デジタルのモニタリングは低コスト

「クリッピングは社内作業だからコストゼロ」という方もいらっしゃるかもしれません。でも人件費として考えると、どうでしょうか?クリッピングはかなり作業時間がかかるため、実はかなりのコストになることも。

外部クリッピングサービスを使うケースもありますが、利用料が気になりますよね。「クリッピングサービスは従量課金制なので、記事数が増えるとコストも跳ね上がる」というお悩みもあるようです。

一方、自動で情報収集できるデジタルのモニタリングツールは、社内の人件費はほとんどかかりません。Meltwaterツールは年間サブスクライブ型なので導入時に費用は発生しますが、利用期間中は使い放題なので月額での追加料金を気にしないで利用できます。

・検索エンジンでモニタリングするときの注意点

ちなみに検索エンジンで検索すればタダでデジタル対応できるのでは?というご意見もありますが…いくつか注意したいことがあります。

まず対象媒体。検索エンジンでニュース検索できるのは平均約300媒体といわれます。一方モニタリングツールは数千、数万という媒体が対象。(Meltwaterのツールでは、国内で約8,000媒体、全世界では約360,000媒体が対象です)

また検索エンジンは検索結果の表示順を独自に決めているため、見たい記事を見落とす可能性も。さらに検索エンジンは掲載数推移などの分析機能がありません。掲載状況の集計に手間がかかる点も注意点です。

2) リアルタイムで情報収集ができる

紙メディアは情報が伝わるまで、多少のタイムラグがあります。例えば2019年4月の新元号「令和」の発表。デジタルメディアでは新元号発表とほぼ同時にニュースが流れましたが、新聞の号外が出たのは発表から約1時間後でした。あらためてデジタルのリアルタイム性がわかる事象ではないでしょうか。

社内回覧するときも、クリッピングではスキャン・PDF化・メール送信といった作業でタイムラグが起こりがちです。でもデジタルのモニタリングツールなら、例えば毎朝自動で社内に一斉メールする機能を使えばタイムラグなく共有できます!

※余談ですがクリッピングした記事の社内共有では、著作権も要注意(社内共有がNGなメディアも)。デジタルのモニタリングツールでは、著作権はクリアになっていることがほとんど。例えばMeltwaterのツールではメディアごとのルール(本文を〇文字まで表示するなど)が設定済みなので、安心して社内共有できます。

3)デジタルメディアなら、カバーできる範囲が広い

クリッピングは人が目視で全ページをチェックするのが一般的ですが、チェックできる量に限界がありますよね。デジタルのモニタリングは数千ものメディアをほぼ一瞬でチェック可能。さらに新聞など主要メディアのほかソーシャルメディアもまとめてリサーチできます。

グローバル企業の場合、海外メディアのモニタリングも必要。デジタルのツールなら、世界中のメディアをチェックできます。Meltwaterのツールを利用中のお客様でも、海外メディアをチェックしている方は多いですね。例えば北米担当、アジア担当などのエリアマネージャーが、いつどこにいても自分の担当エリアのニュースをウォッチできるようになった、という事例もあります。

4) 広報業務を大幅に短縮できて、分析も一瞬でできる

デジタルのモニタリングツールは、ほとんどのタスクが自動化されます。そうなると紙のクリッピングにかかっていた時間を、他の広報業務(例えばデータの分析とか!?)に充てられるというわけです。

またデジタルのモニタリングツールには、掲載状況を自動でグラフ化する機能もあります。例えば「1時間後に役員会が始まるけど、先日出したリリースの反響をレポートにしてくれない?」と言われたときも、デジタルのモニタリングツールならきっと余裕です!

やっぱりクリッピングは続けたい。こんなときはどうすればいい?

メリットの多いデジタルメディアのモニタリング。とはいえ紙メディアのクリッピングをやめるのは難しいケースも…。

弊社のチームやお客様からの情報によると、日本では主要な新聞の影響力が大きい、上層部に紙メディアのこだわりがある人が多い、一部業界紙などデジタル化されていないメディアもある、といった背景があるようです。

弊社のお客様でも、まず1年は紙メディアのクリッピングは続けながらデジタルのモニタリングツールを試す方が多いですね。

デジタル上で紙メディアをクリッピングできるというサービスも、実はあります。例えばアメリカのダウジョーンズ社による「Factiva」。世界約200ヵ国・約32,000媒体の記事のクリッピングがデジタルでできるサービスです。(実は最近パートナーシップを結んだので、紙とデジタルが弊社のプラットフォームで確認ができるようになったんです!)

これなら紙のクリッピングを続けながらデジタルにも対応でき、かつ業務効率化も実現します。

デジタルへ移行した広報が取り組み始めた、新しいミッションとは?

デジタルへ移行した広報は、クリッピングに充てていた時間を、どう活用しているのでしょうか?弊社のお客様からは、自社の分析とあわせて競合分析ができるようになったというお話をよく聞きます。デジタルのモニタリングツールでは、自社と同じように競合他社のリリース配信内容や配信タイミング、ソーシャルの投稿状況も手軽にリサーチできます。

デジタルの部分で日本より一歩進んでいる海外を見ると…デジタルメディアを駆使して、新たな広報活動を展開するところも。

例えばソーシャルメディアによるMomentum(モメンタム)を狙うケース。自社の記事がメディアに掲載されて終わりではなく、ソーシャルメディアを通じてファンや社員が記事を転載・シェアして、パブリシティ効果が持続するという状態です。(Momentumは「勢い」という意味)

「メディアに記事が載った!」という結果だけではなく、「記事をどこまで広められるか?」というのも広報のミッションになってきているようです。

デジタルメディアのモニタリング体制ができたら、次にやるべきこととは?

デジタルメディアのモニタリングには、コストなど多くのメリットがあります。それだけではなく、自社の分析や競合分析で新たな広報戦略を進められる点もメリット。広報の社内の立ち位置や影響力も変わっていくはずです!

またソーシャルでどこまで転載・シェアされたか把握できれば、紙メディアの掲載状況だけでは見えなかった部分も含めリアルな分析ができますよね。

ただ広報業務の分析となると「具体的にどう効果測定すればいいのか」「そもそも広報のROIはどう測定するのか」という、新たなクエスチョンも生まれます。

紙メディアのクリッピングでは、メディアに載れば調査は終了。でも本来は掲載がゴールではないですよね。メディアに載った結果、世間に認知されたか?会社の利益につながったか?というところまで追いかけたいところ。そこで次回のブログでは「広報のROI」について紹介していきます!