SNSマーケティングに取り組む企業の多くは、運用の煩雑さや専門的なスキルの必要性に頭を悩ませているのではないでしょうか。
SNSマーケティングの活用範囲はブランド認知向上から売上増加まで多岐にわたり、最適な戦略を選択する難易度が高まっています。
そこで、世界中のSNS・ニュースサイト・ブログなどインターネット上の膨大なデータを収集・分析し、企業マーケティングに活用できるソーシャルリスニングプラットフォームを開発・提供している「Meltwater」は、SNSマーケティングに関するインターネットアンケート調査を実施しました。
本記事では、「SNSマーケティング戦略の方向性」「これからのトレンド」をご紹介し、課題解決への道筋をご案内します。アンケート調査を通じて明確になったこれからのトレンドをもとに、自社に最適なSNSマーケティング戦略を検討しましょう。
▶︎日本だけでなく世界のマーケティング担当者へのアンケート調査結果をご案内する、「2025年ソーシャルメディアの最新状況」もぜひご覧ください。
調査の概要
2025年、60%以上の企業がマーケティング担当者が活用しているSNSは?
ブランディング以外でも、活用が広がるSNS
SNS運営のトレンドは内製?それとも外注?
2025年、SNSの重要性は変化するのか?
ますます有用性が上がるSNSマーケティング、今年の予算は?
注目の ”ソーシャルリスニング”、実施している企業は?
ソーシャルリスニングを実施する目的は「ブランド認知の把握」が最多?
まとめ
調査の概要:
アンケート調査の結果から、主要なポイントをまとめます。
- マーケティング担当者がもっとも活用するSNSはYouTube(61.2%)、次いでLINE(54.1%)やInstagram(47.8%)
- SNSマーケティングはブランド認知向上・顧客との接点構築・新規顧客獲得・売上増加など多様な目的で活用されている
- 運営体制については72.6%の企業が外部委託を活用
- 2025年のSNSマーケティングについて、約70%の企業は重要性が上昇すると予測
- ソーシャルリスニングは25.5%の企業が導入済みで、46.5%が2025年内の実施を予定
調査対象:インターネットアンケート調査にて、事前にてスクリーニングした「事業会社のSNSマーケティング担当者」のうち、期限内に回答のあった157人
調査期間:2025年01月27日 ~ 2025年02月09日
2025年、60%以上の企業がマーケティング担当者が活用しているSNSは?
「企業が活用するSNS」という項目において、2025年1月のアンケートでは、YouTubeがもっとも支持を獲得しており、LINE、Instagramが続きました。以下の表に、マーケティング担当者が活用するSNSの割合をまとめました。
動画編集ツールの進化により、手軽に質の高い動画を制作できる環境が整ったのが、YouTubeの活用率が高くなった理由でしょう。くわえて、ショート動画の人気が急上昇したのも、YouTubeなどの動画プラットフォームが活用される要因だと考えられます。
さらに、Xの度重なる仕様変更により、多くの企業がLINEへとマーケティング活動の軸足を移行させたとの推測も成り立ちます。アンケート結果を十分に認識した上で、自社に最適なSNSマーケティングのプラットフォームを選びましょう。
ブランディング以外でも、活用が広がるSNS
SNSマーケティングの主な活用目的について、以下の表にまとめました。
企業のSNSマーケティングは、ブランド認知向上のためだけでなく、上記の表のように多様な目的で活用されています。顧客との接点構築から売上増加まで、各目的の選択率に大きな差が見られませんでした。
SNSマーケティングが企業のビジネス戦略において、包括的なコミュニケーションツールとして機能しているのは明らかです。マーケティング担当者にはSNSを活用したアプローチで、ブランディングから収益化まで幅広い成果を追求することが求められています。
SNS運営のトレンドは内製?それとも外注?
SNSマーケティングの運営体制についての回答を、以下の表にまとめました。
SNSアカウントの運営体制では、外部委託を活用する企業が全体の72.6%を占めました。一方、社内のみで完結する運営体制を取る企業は20.4%と少数派となっています。
外部委託の傾向が強まる理由は、専門的なスキルと継続的な労力を、以下のような作業で必要とするからだと考えられます。
- SNSプラットフォームの多様化への対応
- 投稿の定期的な更新
- フォロワーとのコミュニケーション管理
- 炎上対策
SNSアカウントの運用については自社の特性や予算に応じて、外部委託と内製のバランスを適切に設計しましょう。
2025年、SNSの重要性は変化するのか?
2025年にSNSの重要性がこれまでと比べてどのように変化するのかを調査しました。結果は以下のとおりです。
SNSの重要性については約70%の企業が上昇すると予測しており、下がると回答したのはわずか9.5%でした。「変わらない」と回答した企業は15.3%にとどまり、「とても下がる」という回答はわずか1.9%という結果となりました。
重要性が増す傾向は、SNSが企業戦略において中核的な位置づけへと進化していく可能性を示唆しています。
ますます有用性が上がるSNSマーケティング、今年の予算は?
SNSマーケティングの予算についての回答は以下のようになりました。
2025年のSNSマーケティング予算について、54.1%の企業が2024年と同等の予算を維持する方針を示しました。一方、予算増加を予定している企業は25.5%にとどまり、予算縮小を検討している企業は10.2%となっています。
注目の ”ソーシャルリスニング”、実施している企業は?
ソーシャルリスニングとは、SNS上のユーザーの声や反応をリアルタイムで収集・分析するマーケティング手法です。ソーシャルリスニングを実施している企業の割合を、以下の表にまとめました。
ソーシャルリスニングは現在25.5%の企業がすでに導入しており、46.5%が2025年内の実施を予定しています。実施済み・実施予定をあわせると72%に達し、多くの企業がソーシャルリスニングの重要性を認識している状況です。
一方、実施予定がない企業は少数派で、ソーシャルリスニングがマーケティング戦略において標準的なツールへと進化しつつあることがうかがえます。以上の傾向から、2025年にはソーシャルリスニングを活用する企業が大幅に増加し、定着していく可能性が高いと言えるでしょう。
ソーシャルリスニング実施企業のSNSマーケティングについて、以下の表にまとめました。/
「すでに実施している」では92.5%、「2025年に実施予定がある」でも84.9%の企業が、重要性は上がると回答しています。実施企業の重要性の認識が高いのは、SNSマーケティングの価値を実感しているからだと考えられます。
ソーシャルリスニングを実施する目的は「ブランド認知の把握」が最多?
企業がソーシャルリスニングを実施する目的を調査したところ、以下のような目的があることがわかりました。
企業のソーシャルリスニングは、ブランド認知の把握から市場トレンドの予測まで多角的な目的で活用されています。
ソーシャルリスニングは従来の消費者アンケートと比較して、より自然な形で消費者の声を収集できるのが利点です。くわえて、同じ回答者数で比較すると消費者アンケートよりソーシャルリスニングはリーズナブルなのもメリットです。
まとめ
2025年のSNSマーケティング調査ではYouTubeがもっとも高い活用率を獲得し、LINEとInstagramが続きました。回答企業の70%がSNSマーケティングの重要性が上昇すると予測しており、54.1%が予算を維持する方針です。
ソーシャルリスニングは72%の回答企業が実施済みまたは実施予定であり、マーケティング戦略の標準的なツールへと進化しつつあります。ブランド認知の把握から市場トレンドの予測まで、自然な形で消費者の声を収集できる新しい手法として注目を集めているようです。
少子高齢化による需要縮小などでますます競争が激化するなか、SNSマーケティングでも市場やトレンドの把握がかかせません。ソーシャルリスニングプラットフォーム「Meltwater」を活用すれば、SNS上のデータを詳しく分析し、より効果的な戦略を立てられます。
SNSマーケティングで求められる市場理解やトレンド分析を「Meltwater」で深め、認知度や売上の向上を目指しましょう。
▶︎日本だけでなく世界のマーケティング担当者へのアンケート調査結果をご案内する、「2025年ソーシャルメディアの最新状況」もぜひご覧ください。
この記事の監修者:
山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)
大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。