膨大なソーシャルメディアを分析して、本当に欲しい情報を得るためには仮説が大事になってきます。仮説と聞くと難しい感じもしますが、普段から感じている「なぜこうなっているんだろう?」という疑問がスタートなんです。前回のブログ「ソーシャルリスニングは難しくない!仮説を立てれば分析しやすくなる」でも詳しくお伝えしました。
実例があったほうが分かりやすいと思うので、実際にソーシャルメディアを分析したデータを紹介します!今回はかつてない盛り上がりを見せた、2019年のラグビーワールドカップ日本大会について調べてみました。
ラグビーワールドカップ日本大会では、ソーシャルメディア閲覧数が17億回にも上ったそうです。この数字は前回大会の約4倍!過去のラグビーワールドカップの中で最高だったとのこと。まさしくビッグデータじゃないでしょうか?
ラグビーワールドカップ日本大会のソーシャルメディア分析をもとに、ユーザーのリアルな声の集め方を考えます。さらにこのデータを企業アカウントの運用にどう活用できるかを探っていきます。
ラグビーワールドカップ日本大会のソーシャルメディア分析をしてみた
2019年に行われたラグビーワールドカップ日本大会。ソーシャルメディアでもかなり盛り上がりました!個人的に思いついた疑問や仮説を元に、ソーシャルメディア分析をしてみました。対象期間:2019年9月19日(大会前日)~2019年11月4日(大会終了から1日後)
世界中でどの試合が一番バズっていた?日本開幕戦の対ロシアかな?(各対戦試合ハッシュタグをベースに分析
SNS上のデータでも、今回のワールドカップで日本のラグビーの認知度がかなり上がったと言えるのではないでしょうか。
ちなみに対スコットランド戦はテレビの視聴率もトップだったこともあり、Twitter上でTOP1におどり出るのも納得の数字です。
しかし、前日に関東に直撃した台風に関する投稿もこの対スコットランド戦のバズの要因の一つでした。
どの国のベストプレイヤーが一番話題になっていた?南アフリカの主将、シヤ・コリシじゃないかな?
分析対象:ベスト8のチームからベストプレイヤーを選出
フランス:ギレム・ギラド (C)、アントワーヌ・デュポン、セバスチャン・バハアマヒナ
アイルランド:ローリー・ベスト (C)、ジョナサン・セクストン、タイグ・ファーロング
日本:リーチ・マイケル (C)、福岡堅樹、松島幸太郎
オーストラリア:マイケル・フーパー (C)、デービッド・ポーコック、ジョーダン・ぺタイア
ウェールズ:アラン・ウィン・ジョーンズ (C)、ジョシュ・アダムズ、ダン・ビガー
ニュージーランド:キアラン・リード (C)、ボーデン・バレット、ソニー ビル・ウィリアムズ
イングランド:オーウェン・ファレル (C)、マロ・イトジェ、トム・カリー
南アフリカ:シヤ・コリシ (C)、マカゾレ・マピンピ、ファフ・デクラーク、チェスリン・コルビ
予想は的中でした。やはり、南アフリカ代表”スプリングボックス”史上初の黒人キャプテンとしてチームを優勝へ導いて一世を風靡したシヤ・コリシ選手!スプリングボクスの優勝はもちろん大きいことですが、コリシ選手の黒人として初のキャプテンということこそが、彼が夢見ていた人種平等に対する大きな一歩になり、SNS上でもここまでの反響が出たのではないでしょうか。
また、我ら日本の福岡堅樹選手、リーチ・マイケル選手・松島幸太郎選手が3位〜5位を獲得しています!Twitterでも日本のラグビーに関する認知度が急激に上がったことが見て取れます!これからもラグビーが国民のスポーツになって、2023年にフランスで開催されるワールドカップをみんなで盛り上げていきたいです!
世界のベストプレイヤーベースに分析をしていると、「日本人選手のSNS投稿ランキングも見てみたいな」となり。。。早速分析に!
「やっぱりベストプレイヤーのリーチ・マイケル選手かな、松島選手かな、福岡選手かな」と思っていたのですが、1位に躍り出たのは具智元選手でした!
コリシ選手や具選手のように、国際問題を解決すべくメッセージをこのような形で具現化し、SNS上で認知度・理解度を上げるということこそ、今の時代の風潮であり、SNSが社会を動かすメディアの一つになっていることを思い知らされる結果となりました。
投稿している人はどんな感情だろう?(ポジティブな応援が多いはず)
上記は、使っている絵文字をベースにJoy (喜び)、Fear(恐怖)、Anger(怒り)、Sadness(悲しみ)に分けたグラフです。
これも予想通りJoy(喜び)やLove(愛)などのポジティブな感情の投稿が多いですね。Fear(恐怖)やAnger(怒り)、Sadness(悲しみ)などは試合に負けた時に一時的に投稿されていますが、試合に対する熱がこのリストだけでもよく分かります。
ちなみにどんな絵文字が良く使われたのかも分析してみました!
優勝した南アフリカや日本などの国旗や日本を象徴する桜、カナダを象徴する楓の絵文字などが良く使われていたり、ポジティブな絵文字が多く見受けられます。
テレビ観戦している人も多く、リアルタイムで投稿していたのか、テレビの絵文字なんかもリストに出てきました。
ちなみに骸骨の絵文字は10月31日のハロウィンで使われていたみたいです。
現に、ラグビーワールドカップの公式アカウントでもハロウィンの面白い投稿をしていました!!
ソーシャルメディアの分析結果には、企業アカウントに使える情報がたくさんある
分析データを見ると、企業アカウントの運営に役立つ情報が結構多いと思いませんか?例えばソーシャルメディア上でどんな感情のユーザーが多いかわかれば、投稿内容を調整して共感度の高い内容にできると思います。その結果、リツイートやいいねの数が増えそうですよね。
フォロワーの動きを正確に把握できれば、企業アカウントでいつどんな投稿をすればいいか、判断すしやすくなります。
企業アカウントの効果が出ていないなら、運用方法を見直そう
実際のところ、企業アカウントの運用って大変ですよね。企業アカウントで投稿するだけでも結構な手間がかかります。特にTwitter、Facebook、Instagramというように、複数の企業アカウントを運用していると「正直面倒だな~」なんて感じる方も多いのでは?
それに手動で投稿していると、担当者が会社にいない土日や早朝・深夜などに投稿するのも一苦労です。ここぞというタイミングで投稿できないのは、すごくもったいないです。
手動で企業アカウントを運用する方法は、どうしても限界があります。Meltwaterではこうした悩みを解決するため、ツールのアップデートを行いました!今回の「Fjord(フィヨルド)アップデート」でパワーアップした企業アカウントの運用機能の一部を紹介します。
複数のソーシャルメディアを一元管理できて、予約投稿もできる
アップデートによって、「Engage」という画面でTwitter、Facebook、Instagram、Linkedinといったソーシャルメディアへの投稿が1つの管理画面でできるようになりました。もちろんソーシャルメディアごとに内容を変えることもできます。従来はソーシャルメディアごとにログインして投稿して・・・という作業を繰りかえす必要がありました。でも「Engage」ならまとめて1つの画面でできるので、その分投稿内容に注力できますよね。
もう一つEngageの大きなポイントが、事前に投稿日時を予約設定できる機能です。これなら企業アカウントの運用担当者が会社にいない土日や早朝・深夜でも、好きなタイミングで投稿できるんです。
ちなみに「Engage」は初めて企業アカウント運用する方でも手軽に使っていただけるように、シンプルな機能がメインです。「もっと高機能なソーシャルメディア管理ツールが欲しい!」という場合は、カナダの企業が開発したソーシャルメディア管理ツール「Hootsuite」もご案内しております。(Meltwaterでは2019年夏にHootsuiteとパートナーシップを締結しました)。
これからのマーケティングは、広報とコラボすればもっとうまくいく!
「Engage」によって、企業アカウントの運用はずっと効率的になると思います。でもそれだけではなくて、「社内で情報共有しやすくなる」という効果もあるんですよね。
例えば「Engage」では、カレンダー形式でいつ、どのソーシャルメディアに対して、どの部署(例えば、広報、営業、マーケティングなど)が、どんな内容で投稿するのかひと目でわかります。これを見ると、社内全体で企業アカウントの動きを追えるというわけです。似たような投稿が防げますし、どの投稿の反響が高かったのかみたいな分析結果も社内で簡単に共有できます。
このブログでも何度かお伝えしていますが、海外を見ると、広報とマーケティングの違いがだんだんなくなってきたように感じます。実際、広報とマーケティングをひとつの部門に統合するなんて企業も増えていますから。だから今後広報とマーケティングがコラボレーションしていくことは、普通になってくるはずです。
実はこの広報とマーケティングのコラボというのは、Meltwaterのコンセプトでもあるんです
アップデート名に使われている「Fjord(フィヨルド)」は、弊社CEOの出身地であるノルウェーの言葉。長い年月をかけて氷河によってできた地形のことで、ノルウェーの景観の土台になっています。Meltwaterも広報とマーケティングの土台を作る存在になりたい、という思いを込めて「Fjord(フィヨルド)」というアップデート名にしました。
今後もMeltwaterでは、広報とマーケティングがお互いの相乗効果を高められるようサポートしていきたいと思います。
最後に:分析に協力してくれた、弊社Meltwater Japanのアナリストチーム(ワイキャンプ 朝海、安藤 美波)ありがとうございました!