子年の2020年を迎えるに当たり、年男の私としては私自身の、そして私の家族やメルトウォーター・ジャパンのビジネスの今年の展望に関して、実はたいへん楽観的でした。
しかし、2020年は実際のところ、世界の多くの人々の計画を大きく狂わせる年となり、メルトウォーターも例外ではありませんでした。グローバル経済そして政治情勢(特に米国を含めて)の不確実性に対応し、また社員の安全を守るために、当社では今年の4分の3に当たる期間、全世界でテレワークを徹底し、採用の凍結と経費抑制を実施、この予測不能の時期を通じて財務的な安定を確保しました。
私がメルトウォーターに入社したのは前回の子年だったちょうど12年前の2008年、リーマンショックとそれに続く世界的大不況のさなかでした。当時私は、自動車、ファッション、製造業、製薬等の産業界から学会、公共部門、民間部門、非営利部門にいたるあらゆるビジネス向けに情報とインサイトを提供していたメルトウォーターが、この経済危機の中でも成長を続ける新たな産業の支援にも柔軟にシフトする姿に刺激を受けたのです。
2008年のこうした体験から私は、当社がこの2020年も乗り切ることができるだろうと確信を持っていました。
そして、今年の様々なチャレンジに対し、新たなソリューションの提供を通じた前向きなアプローチをとり、また大きく変化する状況に一丸となって対応してくれた私たちのチームメンバーのコミットメント、ハードワークそして柔軟性に私はたいへん大きな感銘と刺激を受けました。
また、この試練の年にあって、日本そして全世界の当社クライアントの皆様からの変わらぬご支援を目にすることができたことにも感銘を受けました。ウォルマートやトヨタ、資生堂をはじめとするグローバル企業が、このチャレンジの一年を乗り切るに当たってメルトウォーターのデータプラットフォームを活用し、また各社のデジタルトランスフォーメーションに関して私たちのチームを信頼してくださったことも、大きな喜びでした。
そして、来年2021年は十干十二支で辛丑に当たり、仕事運の向上、ビジネスの向上や繁栄の年であるといわれていますので、不安や後ろ向きの考えを乗り越えていきましょう。
それではここで、当社の2020年のハイライト3点と、2021年に向けての期待3点をご紹介したいと思います。
2020年のハイライト
- 新CEO就任とIPO: 新たなCEOに就任したジョン・ボックスのリーダーシップのもと、当社はソーシャル分野に今後さらに注力していきます。またこの度のIPOは当社が長年目指していたもので、これにより当社にとってさらなる発展のチャンスが到来することを期待しています。
- 製品ラインアップ:今年だけで世界的に2500件を超えるサービスのアップグレードを行いました。日本のクライアント向けには、日本独自のソーシャルエンゲージメントのツールやTVのモニタリングのファンクションを追加する等、クライアント各社の使い勝手の向上に努めました。
- リーダー育成チーム、エンタープライズセールスチームを日本でも個別に設けました。エンタープライズセールスのチームは、米国本社が持っているグローバル企業のアカウントにもアクセスすることが可能となります。
2021年の展望
- AI機能を強化した製品の開発に更なる投資を行います。
- 日本のビジネスの更なる拡大に向け、Ewan Ross が新たに日本のカントリーヘッドとして着任予定です。彼はこれまで、メルトウォーターにとって現在最大の地域マーケットに成長した中国のビジネスの拡大に貢献してきました。彼は当社で12年のキャリアを有し、数々の成功を積み重ねてきており、彼を日本に迎えられることは私たちにとって大きな喜びです。
- クライアントと一体となったイノベーション:当社のサービスに関する最も興味深い利用方法や新しいアイディア提案の多くが、当社の熱心なクライアントユーザーから寄せられています。私も2021年からはカスタマーサクセスチームのディレクターとして、日本のクライアント各社の皆様と、更なるイノベーションの実現に向けて、緊密に連携していきたいと考えています。
ラルフ・ウォルドー・エマーソンの有名な言葉に :
Nothing great was ever achieved without enthusiasm
「情熱なくして達成された偉業はなにひとつない」というものがあります。メルトウォーター・ジャパンのチームの持つ高い能力に深く感謝するとともに、日本のクライアントの皆様とのこの素晴らしい関係があれば、2021年は必ずや素晴らしい年になると、私は情熱をもって信じております。
当社のクライアント、パートナーの皆様、そして社員の皆さんからこの一年の間に寄せられた変わらぬサポート、貢献に改めて深く感謝したいと思います。そして、また来年もどうぞよろしくお願いいたします。
2020年12月 ジョセフ・ラッテリ