Facebookはブランディングやプロモーションを目的に、多くの企業から利用されるSNSです。一方で、「他のSNSとの違いが分からない」「ビジネスでの活用方法が想像できない」という悩みもよく聞きます。
そこで、Facebookをビジネス利用したい担当者さま向けに、Facebookの基礎知識から、他のSNSとは異なる特徴を紹介します。その上で、Facebookがビジネスに向いているといわれる理由、活用方法を学んでいきましょう。
Facebookとは?
Facebookの特徴を紹介
企業がFacebookを活用する5つのメリット
企業がFacebookを活用する3つのコツ
Facebookの効率的な運用はMeltwater
Facebookは企業のマーケティング戦略に効果的なSNS
Facebookとは?
Facebookはアメリカのカリフォルニア州に拠点を置く企業「Meta Platforms, Inc.」が提供、運営する世界最大級の実名登録制SNSです。Meta社の発表によると、2023年9月時点で全世界に30億5,000万人もの月間アクティブ利用者がいます。
meta社が運営する「世界最大の実名登録制SNS」
Facebookの歴史は、2003年、当時ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグが「Facemash」というサービスを公開したことに始まります。
その後、Facemashを応用した「TheFacebook」を公開したところ、ハーバード大学限定だったにもかかわらず、1ヵ月で利用者1万人を突破しました。以降、徐々に公開範囲を広げ、瞬く間に全米の大学生の間に広がったのです。
急成長を遂げたFacebookは、2012年に写真投稿SNS「Instagram」を10億ドルで買収、2014年にメッセージングアプリ「WhatsApp」を190億ドルで買収するなど、規模拡大に向け積極的な買収をしています。
Facebookのユーザー数とSNSにおける現状
では、日本国内におけるFacebookはどのような立ち位置なのでしょうか。他のSNSとユーザー数を比較してみましょう。
【日本国内のSNSユーザー数ランキング】
ランキング | SNS名 | ユーザー数 |
---|---|---|
1 | LINE | 9,600万(2023年9月) |
2 | YouTube | 7,120万人(2022年10月) |
3 | 4,100万人(2022年度予測) | |
4 | 3,300万人(2022年度予測) | |
5 | 2,400万人(2022年度予測) | |
6 | TikTok | 2,300万人(2022年度予測) |
参考:総務省情報通信政策研究所(令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)
Facebookのユーザー数はInstagramやTwitterよりも少ないのですが、これは日本特有の傾向です。全世界を対象とした調査では、Facebook利用者は29億8,900万人で1番多く、続いてYouTubeが25億1400万人、Instagramが20億人、・TikTokが10億5,100万人となります(2023年時点)。
また、他のSNSに比べ様々な機能が充実しているFacebookは、個人だけではなくビジネス用途としても活用の幅が広いと評判です。
Facebookの特徴を紹介
Facebook1番の特徴は実名登録制であることですが、それを背景に利用者層の年齢が高い傾向にあります。また、圧倒的に投稿の自由度が高く、各社工夫した投稿が可能などの特徴的な点を紹介します。
実名登録で利用する
他のSNSは匿名性が高いのに対し、Facebookは実名登録を原則としています。また自身の出身地や、学校、会社などの情報を設定できるなどリアルなつながりをコンセプトとしています。
この特色から、顔も名前も知らない他人同士ではなく、知人同士でつながるケースが多いようです。実名登録は信頼関係を構築しやすいため、仕事場の同僚や上司、取引先の相手と友達登録するなどフォーマルな使い方をしている方もいます。
ユーザーの年齢層が高い
日本国内でフォーマルなイメージがあるFacebookは、若年層より30代〜40代のユーザー数が多いSNSです。
10代は2割程度しか利用者がいない上、20代の利用率も他の年代に比べると低い傾向にあります。
【年代別のFacebookの利用率】
年齢 | 利用率 |
---|---|
10代 | 11.4% |
20代 | 27.6% |
30代 | 46.5% |
40代 | 38.2% |
50代 | 26.7% |
60代 | 20.2% |
参考:総務省情報通信政策研究所(令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書)
ご覧の通り、ビジネスの中心となる年齢層の利用者が多いことから、ビジネス用途で活用していることがうかがえるでしょう。
そのためマーケティング活用する場合、自社のターゲット層にマッチするか吟味する必要があります。
発信の自由度が高い
Facebookは発言の自由度が高く、ユーザーと深い関係性を築きやすいという特徴があります。
Twitterのように文字制限がないため、SNSの気軽さを出しつつも具体性のある発信が可能です。その上、画像や動画、ライブ配信などリッチなコンテンツ作成ができる一方で、InstagramやYouTubeのように素材がなくても投稿できます。さらに、LINEのような配信制限はなく、基本無料で使えます。
広告出稿機能や、Facebookページに「お問い合わせはこちら」といったユーザーの行動を促すボタンを設置できるなど、工夫次第で幅広く活用できるのも嬉しい特徴でしょう。
Facebookの主な機能
Facebookの中で、ビジネス活用しやすい機能を紹介します。
Facebook初心者は「タイムライン・ニュースフィード機能」「Facebookページ機能」「Facebookショップ」の3つの機能を覚えておきましょう。
タイムライン・ニュースフィード機能
混同しやすいタイムラインとニュースフィードを解説します。
タイムラインは、いわゆるプロフィールページです。1人のユーザーに絞った投稿を時系列順で閲覧できます。
ニュースフィードは、Facebookログイン時最初に表示されるページです。つながりのある人と自分の投稿をまとめて閲覧できます。
そのため、タイムラインでは訪れた人の印象に残るようなカバー画像および一貫性のある投稿が重要です。また、ニュースフィードでは、いかに興味を引かせるかが重要です。例えば続きが読みたくなるようなリード文や、動画サムネイルの工夫などが考えられます。
Facebookページ機能
Facebookには個人のアカウントとは別に、Facebookページと呼ばれる個別ページを開設できます。主に企業や団体が情報発信やコミュニケーションを目的として運用するケースが一般的です。機能も充実しているため、自社の姿勢や取り組み、商品・サービスなど公式的な情報を発信するのに向いています。
昨今では、自社の経営理念やSDGs関連などソーシャルグッドな情報発信をする傾向が強く出ています。単に商品・サービスを紹介する場としてではなく、顧客ロイヤリティ向上のために活用されることも多いようです。
Facebookショップ
Facebookショップとは、Facebookが提供するショッピング機能で、顧客への販促機能が充実しています。例えば、いいね機能を利用し無料クーポンを配布、Facebookライブ動画配信でライブコマースができるなど、SNSと融合した新しいショッピング体験が提供できるでしょう。
しかし、決済機能は利用できないため別途ECサイトへリンクしなければいけない点は注意が必要です。
またInstagramショップとも連携が可能です。Instagramも運用している企業は相乗効果を生む活用ができるでしょう。
企業がFacebookを活用する5つのメリット
多様な企業がFacebookを活用していますが、それには多くのメリットがあるためです。
無料で始められ費用対効果が高い上に炎上しにくいため、安心して運用できると評価されています。また、マーケティングに役立つ機能が整っていることも嬉しいポイントです。
そこで特徴的なFacebookのメリット5つを紹介します。
1|費用対効果が高い
FacebookアカウントやFacebookページは無料で運用可能です。しかしながら、コンテンツの作成、投稿などに対する人件費や、制作費が必要になることを忘れてはいけません。ただし自社にある素材を活用するなど、コストを抑える工夫は可能です。
またFacebook広告は、100円~200円から利用できます。とはいえ予算が少なすぎると、効果検証や広告配信の最適化に時間がかかるため得策ではありません。まず試してみたい方は少額からはじめ、自社に適切な予算を探りながら運用するとよいでしょう。
2|炎上リスクが低い
Facebookは匿名性や拡散力の高いTwitterなどに比べると、相対的に炎上リスクが低いといわれています。
なぜなら、実名制という特徴がネガティブな投稿の抑止力になっているためです。もちろん、ユーザーから厳しいコメントが投稿される場面もあるかもしれませんが、一定の節度を持った内容に留まることが多い傾向があります。
しかし投稿の公開範囲を友達限定としている場合も多いため、シェアによる拡散力が低いという側面は否めません。一方で、リスクを抑えつつ特定のターゲットにリーチしやすい点はメリットといえるでしょう。
3|顧客とコミュニケーションを取りやすい
投稿に対して、「いいね」などをしてくれることでユーザーの反応をダイレクトに把握できます。反応したユーザーの情報をタイムラインで確認することで、自社に興味を持つユーザー属性を特定できるでしょう。
また、コメント機能では相互に直接コミュニケーションがとれます。広告などの一方的なアプローチではないため、自社に対して理解を深めてくれたり、愛着をもってくれたりなどロイヤリティ形成に活用できます。もちろん、率直な意見やフィードバックを得ることもできるため、その意見を商品開発などにつなげることも可能です。
4|Facebook広告で詳細なターゲティングができる
Facebook広告は、タイムラインや右側にある広告枠に表示できます。また、Facebookの提携サイトやアプリに表示できる点も大きな特徴です。
これらの設定を駆使し、自社のターゲットにマッチした広告配信が可能です。
またターゲティングでは以下の3項目を指定できます。
- ユーザーデータや趣味関心などの条件で指定できる「コアオーディエンス」
- 自社の顧客データを使用し、成果につながりやすい顧客にアプローチできる「カスタムオーディエンス」
- 既存顧客と似た傾向を持つユーザーを判別する「類似オーディエンス」
以上のように、実名制による正確な属性情報を広告のターゲティングに活用できるメリットがあります。
5|マーケティングに活用しやすい機能が多い
Facebookはマーケティングに活用しやすい機能が充実しています。
例えば、分析機能ではFacebookショップでの商品販売数や、インサイトでの投稿分析、フォロワーの属性などを確認可能です。またユーザーのアクション動向、動画の再生回数、再生時間など様々なデータを見ることができ、マーケティングのPDCAを回しやすい環境が整っています。
さらに、Facebookページはカスタマイズ可能で自社の特色を演出しやすいメリットがあります。デザインだけでなく、タブやセクションの追加および動画などの追加も可能です。
企業がFacebookを活用する3つのコツ
Facebookで最も重要なのは継続することです。ただし、単に投稿を続けていればよいわけではありません。投稿の分析とFacebookの仕様変更に対応する必要があります。ここでは、それらの方法について詳しく紹介します。
1|アルゴリズムや仕様変更のキャッチアップを継続する
SNSはデザインや機能の変化が頻繁に発生します。既存機能が廃止されたり、新しい機能が実装されたりするため、都度対応が不可欠です。例えば、重要な機能が追加された際、素早く使いこなすことで先行者利益が得られる場合もあるでしょう。
また、Facebookには投稿の表示順位を決定するアルゴリズムが存在し、それをもとにニュースフィードでの表示順位が決められています。そのアルゴリズムを理解し、対応していくことも課題となります。
2|投稿頻度を保つ
SNSは継続して投稿を続けることが成果への近道です。なぜなら「情報が次々に流れていく」「トレンドや情報の新鮮さが求められる」などの特性を持つメディアだからです。投稿が滞るとせっかく獲得したフォロワーを逃しかねません。
そこで重要となるのがSNS運用の体制と環境づくりです。疎かにするとSNS運用が属人化してしまい、更新にばらつきが出てしまいます。また更新時間などをきっちり決めることも継続しやすい環境づくりといえるでしょう。
3|データの収集・分析を行う
継続は重要ですが、投稿の質を疎かにしてはなりません。必ず投稿の分析を行い、改善をしていきましょう。
例えば目的が自社サイトへの流入であれば、流入が多かった投稿内容は?タイミングは?反応があったユーザーの属性は?など分析した上で、PDCAサイクルを回します。
なお、データの収集・分析はFacebookのインサイト機能および外部ツールを活用すれば可能ですが、企業で運用する場合は外部ツールがおすすめです。なぜなら、Facebook以外のSNSも分析できたり、レポートの出力などビジネス上必要な機能が備わっていたりするためです。
業務負担を減らすためには、効率化できる外部ツールの利用は有効といえるでしょう。
Facebookの効率的な運用はMeltwater
Facebook運用にはデータ収集、分析ツールを活用するとよいことが分かりました。そこで、当社Meltwaterが提供するソーシャルリスニングツール、「エクスプロア(Explore)」をご紹介します。エクスプロアはFacebookのデータ収集・モニタリング・分析に対応したオールインワンツールです。当
投稿ごとのコメントやリアクション数、シェアをモニタリングでき、どのような投稿がユーザーに刺さったのか分析が可能です。また、自社に関する口コミ・評判を収集することで、マーケティング施策への反映や炎上防止にも活用できます。
さらに、FacebookだけでなくTwitterやInstagramなど、15種類以上の主要なSNSを網羅しており、Googleをはじめとする多くの企業に導入されています。
Facebookは企業のマーケティング戦略に効果的なSNS
Facebookは、詳細なターゲティングや分析がしやすく企業における販売戦略に効果的なSNSです。利用者の傾向も他のSNSとは異なる特徴を持っているので、自社のターゲット層にマッチすれば有効なマーケティング施策となるでしょう。
一方で、ただ運用しているだけでは成果につながりにくいのも事実です。特にFacebookはフォーマルなSNSとして活用されるので、継続的に質の高い投稿をしていかなければなりません。
「Meltwater」であれば、Facebookのデータ収集・管理・分析が一つのツールで実現できます。Facebookを効果的に運用したいとお考えの方はぜひお気軽にご相談ください。