自社のX(Twitter)アカウントをより訴求力の高いアカウントに成長させるためには、日々のツイートを分析・解析することが必要です。
そこで活用したいのがTwitterアナリティクスです。Twitterアナリティクスを使えば、アカウントのツイートがどれくらいのユーザーに見られ、反応をもらえたかを数値化して確認できます。
Twitterは2023年7月にXへ名称変更されましたが、本記事ではTwitterの呼称のまま、アナリティクスの使い方を画像付きで基本から解説します。また、有効な活用方法についても詳しく説明するので、ツイッターアナリティクスを使いこなしてさらに自社アカウントを成長させましょう。
目次
X(Twitter)アナリティクスとは
Twitterアナリティクスで確認できること
Twitterアナリティクスのログイン・有効化の仕方
Twitterアナリティクス見方と使い方【ホーム】
Twitterアナリティクスの見方と使い方【ツイートアクティビティ】
Twitterアナリティクスの見方と使い方【動画】
さらに詳細なデータが欲しい場合はCSVデータをエクスポートする
Twitterアナリティクスの分析・活用方法を目的別に紹介
Twitterアナリティクスより詳細なデータの収集は外部ツールを使おう
Twitterはアナリティクスのデータ分析・解析が重要
X(Twitter)アナリティクスとは
Twitterアナリティクスとは、ツイッターが公式で提供している分析ツールです。個人・法人を問わず無料で使用できます。Twitterアナリティクスを使えば、自社アカウントのツイートに関するさまざまなデータの分析が可能です。
自社アカウントを多くのユーザーに注目してもらえるアカウントに育てるためには、ツイートの分析・解析が必要不可欠です。なぜなら、Twitterは単なる情報発信ツールではなく、企業が消費者や顧客とコミュニケーションをとるための重要なチャネルだからです。Twitterアナリティクスは公式のツールなので数値の精度が高く信頼できます。また、データが見やすく使い勝手もよいので利便性にも優れています。Twitterアナリティクスを使いこなせば、自社アカウントの成長に必要なツイートの分析・解析が可能です。
Twitterアナリティクスで確認できること
Twitterアナリティクスでは、自社アカウントに関する以下の項目を確認できます。
- インプレッション
ツイートが表示された回数
- エンゲージメント
ユーザーが反応した数(いいね・リツイート・プロフィールクリックなど)
- エンゲージメント率
「エンゲージメント総数÷インプレッション✕100」で算出した数値
- 過去28日におけるパフォーマンスの変動
- 動画の保持率・再生率・再生完了率
このように、Twitterアナリティクスを使えばツイートに対する反応を数値化してとらえることが可能です。また、数値化された反応を分析・解析することで、どういった内容のツイートが多くの反応を得られやすいか導き出せます。Twitterアナリティクスを活用すれば、自社が行う施策の立案・改善に役立てられるのです。
Twitterアナリティクスのログイン・有効化の仕方
Twitterアナリティクスは有効化をすることで使えるようになりますが、アプリからだとログインできないため、ブラウザ版から設定を行いましょう。ただし、ブラウザ版は初期設定が英語になっている場合があります。日本語に変更したいときは以下の手順で変更します。
- ホームメニューからSettings and Support
- Settings and privacy
- Accessibility,display,and languages
- Languages
- Display languageをクリックし日本語へ変更してSave
続いて、ツイッターアナリティクス有効化の方法を解説します。
画面左側にある「Creator Studio」から「アナリティクス」を選択し「アナリティクスを有効にする」をクリックすると有効化できます。
Twitterアナリティクス見方と使い方【ホーム】
Twitterアナリティクスのホーム画面を開くと、過去28日間における各項目の数値と変動が表示されます。
ここで表示される
- ツイート
- ツイートインプレッション
- プロフィールへのアクセス
- @ツイート
- フォロワー数
の各項目については、以下で解説します。
ツイート
「ツイート」は、直近28日間で自社アカウントが投稿したツイート数を表示します。右側の赤文字は、前の28日間と比較した場合の増減率を表します。ツイッターでは、継続的に安定した発信を行うことが重要です。「ツイート」の項目に表示される情報を見れば前月との比較が一目で分かるので、自社のツイート量を安定させるための指標になります。
ツイートインプレッション
「ツイートインプレッション」は、直近28日間に投稿したツイートがツイッターやGoogle検索上に表示された数を表示します。つまり、自社アカウントのツイートがどれくらいのユーザーの目に触れたかを示す数値です。インプレッション数は、フォロワーやリツイートの数など複数の要素に影響されます。したがって、インプレッション数が増加している場合、ユーザーニーズに合った投稿ができている可能性が高いとみてよいでしょう。
プロフィールへのアクセス
「プロフィールへのアクセス」は、直近28日間で自社アカウントのプロフィール画面が表示された回数を表示します。アカウントをフォローしてもらいフォロワー数を増やすためには、プロフィールを見てもらう必要があります。よって、プロフィールへのアクセス数はフォロワーを増やしたい場合に注目すべき指標です。アクセス数が増加している場合は、自社への興味を引く発信ができている可能性が高いといえるでしょう。
@ツイート
「@ツイート」は、他のユーザーからメンションされた数を表示します。メンションとは、@の後にユーザー名を付けてツイートすることをいい、メンションをされた方に通知が届きます。@ツイートはメンションした人のフォロワーからも見えるため、メンションされた数が多いほど自社アカウントを多くのユーザーに認知してもらうことが可能です。また、インフルエンサーからメンションしてもらえば一気に認知が広がる可能性があります。
フォロワー数
「フォロワー数」は、自社アカウントの累計フォロワー数を表示します。直近28日の増減を見ることもできるので、アカウントの成長度合も分かります。ただし、フォロワー数の増加はあくまで結果にすぎません。数の増減については数字の変化だけに一喜一憂するのではなく、他の指標もチェックして要因を分析することが大切です。
ツイートの概要
パフォーマンス変動の下には、各月のツイート概要が表示されます。表示項目は以下のとおりです。
- トップツイート
その月で最も多くインプレッションを獲得したツイート。自社アカウントのツイートの中でどのような内容のツイートが多く見られているかが分かる
- トップの@ツイート
その月にメンションしたツイートで最もエンゲージメントが多かったツイート。自社アカウントのツイートに対してどのようなユーザーのどのような反応が注目されているかが分かる
- トップフォロワー
その月にフォロワーになったアカウントで最もフォロワー数の多いアカウント。フォロワー数の多いユーザーに興味を持たれれば情報の拡散も早い
- トップのメディアツイート
その月で最も多くインプレッションを獲得した画像もしくは動画付きのツイート。どのようなメディアがユーザーの興味を引きやすいのか分析する指標となる
さらに、画面の右側に各月のインプレッション、プロフィールのアクセス、@ツイート、新しいフォロワーも表示されます。
Twitterアナリティクスの見方と使い方【ツイートアクティビティ】
ツイートアクティビティでは「ツイート」「トップツイート」「ツイートと返信」「プロモーション」それぞれの「インプレッション」「エンゲージメント数」「エンゲージメント率」を確認できます。
また、グラフにカーソルを合わせると以下の3つが表示されます。
- オーガニックインプレッション:ツイートやリツイートによって獲得したインプレッション数
- プロモインプレッション:広告によって獲得したインプレッション数
- ツイート:アカウントが投稿したツイート数
期間を指定してデータを抽出したいときは、画面右上のカレンダーをクリックすれば変更可能です。
以下では「ツイート」「トップツイート」「ツイートと返信」「プロモーション」の各項目について解説します。
ツイート
ツイートアクティビティの初期画面にはアカウントが投稿したツイートが表示されます。並び順は、対象期間中に投稿したツイートの投稿順です。それぞれのツイートに対するインプレッション数・エンゲージメント数・エンゲージメント率が一目で分かるようになっています。
アクティビティを見ると、インプレッションの多さにエンゲージメント(ユーザーの反応)が比例するわけではないことが分かります。多くのインプレッションを獲得したにもかかわらずエンゲージメントが低いのはなぜなのか、反対に、インプレッションは少なくてもエンゲージメント率が高いツイートの特徴は何かについて分析することが大切です。
ツイートをクリックすると、インプレッションとエンゲージメントの総数および詳細を確認できます。「いいね」はいいねボタンを押したユーザーの数、「詳細のクリック数」はツイート画面がクリックされた数、「リンクのクリック数」はツイート内のリンクが押された数です。
トップツイート
どのツイートが多くのインプレッションを獲得しているか確認したいときは「トップツイート」をクリックしましょう。トップツイートを表示することで、指定期間内のツイートをインプレッションが多い順にソートできます。
トップツイートでは、インプレッションを多く獲得できたツイートの投稿内容や投稿時間、エンゲージメント率などを確認することが大切です。そうすることで、インプレッション数の多いツイートの要因を分析することができます。
ツイートと返信
「ツイートと返信」では、リプライを含むツイートのインプレッション・エンゲージメント数・エンゲージメント率が表示されます。自社アカウントが「ユーザーへのリプライはしない」と決めているのであれば確認する必要はありません。
しかし、積極的にリプライをする運用をしている場合、インプレッションやエンゲージメント率の高いリプライの仕方やユーザーの反応について分析することが必要です。そこで、この「ツイートと返信」項目が役立つのです。
プロモーション
「プロモーション」では、広告を掲載したツイート(プロモツイート)のインプレッション・エンゲージメント数・エンゲージメント率のみが表示されます。ツイッターで広告を出している場合は確認が必須の指標です。
一度プロモツイートをすれば二次拡散にはコストがかからないメリットがあります。したがって、より多くのユーザーにプロモツイートを拡散してもらうことが大切です。プロモツイートのエンゲージメント率を高めるための分析および改善に「プロモーション」の項目を活用しましょう。
Twitterアナリティクスの見方と使い方【動画】
アナリティクスのホーム画面上部にある「詳細」タブを開き「動画」を選択すると、動画アクティビティが表示されます。動画アクティビティでは、アカウントが投稿した動画の再生数や再生率などを確認・分析するのに役立ちます。表示される主なデータは以下のとおりです。
- 保持(グラフ)
動画の尺全部のうち何%再生されたかをグラフで表示
- 動画の再生数
「動画の50%以上がユーザーの画面に表示された状態で2秒経過」または「ユーザーが動画の拡大表示もしくは音声ミュートの解除をした」場合に1再生として動画の再生数を表示
- 再生時間(分)
動画が再生された時間の合計
- 完了率
動画を最後まで観たユーザーの割合
- アクション誘導のクリック回数
動画にあるアクション誘導ボタンがクリックされた回数(ボタンを設置している場合にのみ表示)
画面左部には、引用先での動画再生数(Top Tweets with this video)が表示されます。動画は一度に伝えられる情報が多い点がメリットです。さらに、若年層にリーチしやすいため重要度も増しています。アカウントの成長には欠かせない要素といえるでしょう。
さらに詳細なデータが欲しい場合はCSVデータをエクスポートする
ツイートアクティビティ画面の右上にある「データをエクスポート」からCSVデータをエクスポートすれば、より詳細なデータ分析が可能です。エクスポートされたCSV形式のファイルはExcelで開けます。Excelなら、たとえば「プロフィール・リンクのクリック数などのエンゲージメント」を高い順や低い順に並び替えることも可能です。「アプリインストール」や「ツイートをメール送信」などの数値も可視化できるので、ブラウザに比べてより定量的な分析がしやすくなります。
エクスポートの際は「By Tweet(ツイートごと)」と「By Day(日ごと)」から選択できます。ツイート個別の分析をする場合はBy Tweet、日にちによる反応の違いを分析したい場合はBy Dayを選びましょう。
なお、エクスポートする期間が長すぎたりツイートが多すぎたりするとエラーが発生することがあります。したがって、できるだけこまめにエクスポートしながらデータを蓄積するようにしましょう。
Twitterアナリティクスの分析・活用方法を目的別に紹介
ツイッターアナリティクスは、自社のKGI(最終的な目標)やKPI(中間目標)達成のために役立ちます。目標達成のためにツイッターアナリティクスを活用する際には「エンゲージメント率アップの要因を調査する」「インプレッションが多い時間帯を分析する」といった目的を立ててから分析をおこなうことが大切です。以下では、ツイッターアナリティクスの分析・活用方法を目的別に紹介します。
KPIの進捗率を確認する
Twitterでは単に情報を発信するだけでなく、KGIとKPIを設定したうえで効果測定を行い、問題点があれば把握し、改善することが重要です。KGIおよびKPIの具体例は、「1年間でフォロワー数を1万人にする(KGI)」、そのために「1ヵ月850人のフォロワーを獲得する(KPI)」などがあります。
Twitterアナリティクスを使えば、インプレッション数やエンゲージメント数、プロフィールのクリック数などを分析できるため、KGIへ向けて設定したKPIの進捗率を都度確認できます。分析にあたっては、前の項目で紹介したCSVデータをExcelなどで管理し、KPIおよびKGIの達成に必要な項目を洗い出して各数値の進捗率を確認しましょう。そして、分析した結果をもとに自社アカウントを成長させるための施策を繰り返していくことが大切です。
エンゲージメント率アップの要因を分析する
ツイートのエンゲージメント率がアップしたら、その理由を分析することが大切です。なぜなら、ユーザーの反応がいいツイートの要因がわかれば、それを他のツイートに活かしてさらに多くの反応を得ることができるからです。エンゲージメント率に関する各指標の数値を分析することでエンゲージメント率アップの要因が見えてきます。具体的な要因としては
- 共感を呼ぶ投稿でいいねやリツイートの数が増加した
- インフルエンサーがメンションで拡散してくれたおかげでフォロワーが増えた
- プロフィールへの誘導文が有効に働いた
などが挙げられるでしょう。また、流行の話題や言葉を取り入れた投稿や、企業らしくないくだけた内容の投稿などがエンゲージメント率を高めるケースもあります。エンゲージメント率がアップする傾向をチェックして積極的に取り入れるのも有効です。
インプレッションが多い時間帯を探る
Twitterは、同じ投稿内容でも時間帯によりインプレッション数が変化します。なぜなら、アクティブユーザーが多い時間帯の方がインプレッションが伸びやすくなるからです。
2020年2月に行われたAPP Apeの調査結果によれば、アクティブユーザー数の多い時間帯は「6〜8時」「12〜13時」「20〜22時」です。まずは、このデータを元にTwitterアナリティクスで時間帯ごとのインプレッション数を分析し、多い時間帯を導き出しましょう。そして、自社の顧客や消費者の特性を考慮しつつツイート投稿時間を調整し、より多くのユーザーの目にとまりやすいよう工夫することが大切です。
Twitterアナリティクスより詳細なデータの収集は外部ツールを使おう
Twitterアナリティクスは、自社アカウントに関する分析のために有効なツールです。ただし、CSVデータのエクスポートや管理・分析に手間がかかるという難点があります。また、競合他社の分析ができない点もデメリットです。
Twitterアナリティクスだけだと分析担当者の負担が大きく分析方法などが属人的になりがちです。また、分析を継続することが難しく施策に反映させにくくなってしまいます。競合他社の運用方法を分析することは、自社アカウントを成長させるために必要な施策を考えるのに役立ちます。したがって、競合他社について分析するためにも外部ツールの利用も検討しましょう。
Meltwaterは、ツイッターの全量データをモニタリングできるうえ、多彩なデータの収集・分析が可能なツールを提供しています。Meltwaterであれば、複数アカウントの予約投稿およびリプライなどを含めた一元管理ができるため、各アカウントのフォロワーともスムーズなコミュニケーションが可能です。また、競合アカウントにおけるエンゲージメント率の高い投稿内容もまとめて確認・分析ができるなどのメリットもあります。
「Twitterアナリティクスだけではデータの管理・活用に課題を感じている」「社内リソースを確保するためにも外部ツールを導入したい」という担当者の方は、Meltwaterまでご相談ください。
Twitterはアナリティクスのデータ分析・解析が重要
Twitterでただやみくもにツイートを繰り返しても、フォロワー数の獲得や自社の宣伝につなげることはできません。自社アカウントを育てるためには、ツイートごとのインプレッションやエンゲージメント率、反応の多い時間帯などの項目を分析・解析し、より注目され共感を得やすいツイートを生み出していく必要があります。
そのためにはTwitterアナリティクスを有効活用し、各指標の分析・解析につとめましょう。より詳細な分析や競合他社の分析をしたい場合は、Meltwaterの導入をご検討ください。