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KOLとは、特定分野における専門知識や経験を持ち、消費者の購買意思決定に影響力を持つ「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」のことです。特に中国市場で重要視されています。本記事では、KOLの概要やインフルエンサーとの違い、PR投稿やライブコマースといった具体的なKOLマーケティングの手法などをわかりやすく解説します。

KOLとは?インフルエンサーとの違いやマーケティング手法を解説


宮崎桃

Apr 2, 2025

KOLとは、特定分野の専門知識や経験を持ち、消費者の購買意思決定に強い影響力を持つ人物のことです。インフルエンサーとは異なり、専門性に基づく信頼性が最大の特徴です。特に中国市場では、政府の情報統制の影響もあり、KOLの発信する情報が重要視されています。

本記事では、KOLの概要やインフルエンサーとの違い、PR投稿やライブコマースといった具体的なKOLマーケティングの手法などをわかりやすく解説します。 


<目次>

KOLとは?


なぜ今KOLが注目されているのか?
KOLマーケティングのメリット・デメリット
KOLマーケティングの主な手法
KOLが活躍する中国の主要プラットフォーム
日本人・中国人KOLの例
KOLマーケティングを依頼する方法
まとめ|KOLの影響力をマーケティングに活かそ


KOLとは?

KOLとは「Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)」の略で、特定の分野で強い影響力を持つ人物のことです。もともと医療業界の専門家を指す言葉でしたが、現在ではSNSなどで情報を発信する専門家を指すようになりました。

特に中国市場で重要な存在となっており、専門性を活かして消費者の購買意思決定に大きな影響を与えています。

KOLとインフルエンサーの違い

KOLとインフルエンサーの違い

KOLとインフルエンサーの最大の違いは専門性です。KOLは特定の分野における深い知識や経験を持ち、その専門性によって信頼を獲得しています。例えば、美容分野なら皮膚科医、投資分野なら実績のある投資家などが該当します。彼らの発言は専門的根拠に基づくため、信頼度が高いのが特徴です。

一方、インフルエンサーは必ずしも専門性を持つ必要はなく、SNS上での人気やフォロワー数が重視されます。


KOLとKOCの違い

KOCとは「Key Opinion Consumer(キーオピニオンコンシューマー)」の略で、一般消費者の立場から意見を発信する人のことです。KOLが専門家として発信するのに対し、KOCは実際の利用体験をもとに消費者目線のリアルな感想を伝える点が異なります。

例えば、化粧品であれば、KOLが成分を専門的に解説するのに対し、KOCは「使い心地がよい」などといった感想を語るのです。

なぜ今KOLが注目されているのか?

KOLマーケティングが注目されている大きな理由の一つは、中国のライブコマース市場にあります。ライブコマースは、ライブ配信を活用した新しいEコマースの販売手法です。視聴者はリアルタイムで商品情報を得られ、興味を持った商品をそのままECサイトで購入できます。

中国では、新型コロナウイルスによる外出制限をきっかけにライブコマース市場が急成長し、現在も拡大を続けています。この市場に進出するにあたってKOLマーケティングは中華圏の消費者に特に効果的なキャンペーンであるため、企業のブランディングと市場浸透のための戦略の一つとして今注目を浴びています。

中国でKOLが重要視される理由

中国でKOLが重要視される理由として、文化的要因と政治的環境が挙げられます。それぞれ詳しく解説します。


口コミを重視する文化

中国の消費者が口コミを重視する理由は、「圏子(チェンズ)」という伝統的な文化にあります。圏子とは信頼できる仲間内の小さなコミュニティのことで、そこでの情報交換は重要視されてきました。KOLはこの文化に適応し、専門知識を持つ「信頼できる口コミの発信源」として機能しています。

▶︎あわせて読みたい:口コミマーケティングとは?メリットや代表的な手法・成功事例を解説

ネット規制の影響

中国のインターネットには「金盾(きんじゅん)」という政府の検閲システムがあります。このシステムにより、企業や公式メディアは政府方針に沿った情報しか発信できないことが多いです。結果として、消費者は公式情報に不信感を抱き、より信頼できる情報源を求めるようになり、KOLが台頭しました。


KOLマーケティングのメリット・デメリット

KOLマーケティングのメリット・デメリットを解説します。マーケティング戦略にKOLを取り入れる際には、両面を理解した上で活用しましょう。


メリット

メリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 専門性による高いエンゲージメントの獲得
  • ブランド認知度の向上と販売促進
  • 海外進出およびインバウンドマーケティングへの効果

それぞれ詳しく解説します。

専門性によるエンゲージメントの向上

KOLマーケティングのメリットとして、専門知識を活かした高いエンゲージメント率が挙げられます。KOLはフォロワーとの間に強い信頼関係を構築しており、彼らが発信する情報は根拠のある情報として受け止められるからです。例えば美容系KOLによる化粧品の紹介内容は、専門的視点からの評価として捉えられ、消費者の関心を引きやすい傾向があります。また、SNS上でKOLがフォロワーからの質問に専門知識を活かして回答することで信頼感がさらに深まります。


ブランド認知度の向上と販売促進

KOLを活用すると、効率的にブランドの認知度を高め、販売促進につなげられます。KOLは特定の分野に関心の高いフォロワーを抱えており、その層に商品の情報を届けられるからです。ライブコマースなどのリアルタイム配信では、商品の使用感や効果を視覚的に伝えられるため、消費者の購買意欲を刺激しやすくなります。認知から購入までの流れがスムーズになり、短期間での売上アップも期待できます。

海外進出・インバウンドマーケティングへの効果

KOLマーケティングは海外の市場開拓においても効果を発揮します。現地で影響力のあるKOLを起用することで、言語や文化の壁を越えてプロモーションを実施することが可能です。特に中国市場では現地のKOLによる推薦が購買決定に大きく影響します。また、インバウンドの需要を取り込む際にも、訪日前の外国人に自社サービスを認知させる効果的な手段となり、来日後の消費行動を促進することが可能です。


デメリット

デメリットは以下のとおりです。

  • KOLが企業イメージを損なうリスク
  • 費用対効果の測りにくさ
  • 一過性の施策になる傾向

それぞれ詳しく解説します。


KOLが企業イメージを損なうリスク

KOLマーケティングには、企業イメージを損なうリスクが伴います。KOLが個人的にスキャンダルを起こしたり不適切な発言をしたりした場合、企業のブランドイメージが低下してしまう可能性があるからです。また、KOLが企業の意図と異なる形で商品を紹介したり、誤った情報を発信したりするケースもあります。KOLの独自性を尊重しつつ、ブランドメッセージを適切に伝えるバランスを保つことが、リスクを軽減するうえで重要です。

費用対効果の測りにくさ

コストに対して得られる効果を正確に把握することが難しいというデメリットもあります。SNS上での「いいね」や「シェア」などの反応と、実際の購買行動との関連性を明確に示すことが容易ではなく、効果測定の壁となっています。この課題に対処するには、KOL専用のキャンペーンURLやクーポンコードを発行し、流入経路や購入データを詳細に追跡することが不可欠です。

一過性の施策になる傾向

KOLマーケティングは、一時的な注目を集めるのには効果的ですが、持続的な成果を得るのは難しい傾向があります。SNSの特性上、情報の流れが速く、投稿の効果は時間とともに薄れていくからです。また、キャンペーン終了後に急激に注目度が下がり、売上が安定しないという問題も生じます。KOLマーケティングは単独で行うのではなく、総合的なマーケティング戦略の一部として位置づけ、継続的な施策と組み合わせることが重要です。

KOLマーケティングの主な手法

KOLマーケティングの主な手法

KOLマーケティングで活用されている主な手法は以下の2つです。

  • PR投稿
  • ライブコマース

それぞれの特徴を詳しく解説します。

PR投稿

PR投稿は、KOLが自身のSNSやブログ上で商品を紹介するマーケティング手法です。KOLの専門的な視点から商品の魅力を伝えることができるため、一般的な広告よりも信頼性が高まります。InstagramやWeibo(中国語圏で最大級のSNS)などのプラットフォームでは、視覚的にも魅力的な投稿が可能です。

PR投稿を行う際は、「PR」や「広告」表示を明記することが重要であり、これを怠るとステルスマーケティングとみなされる恐れがあります。

ライブコマース

KOLがリアルタイム配信で商品紹介を行い、視聴者にその場で商品を購入してもらうマーケティング手法です。視聴者は商品についての質問をリアルタイムで投げかけ、KOLが即座に回答することで購入にあたっての不安を解消できます。

また、商品のデモンストレーションを目の前で見られることも、購買意欲を高める要因です。時間限定で特別価格を訴求することなどにより、購入を促進できます。

KOLが活躍する中国の主要プラットフォーム

KOLが活躍している中国の主要プラットフォームとして、以下の3つが有名です。

  • Weibo(新浪微博)
  • Wechat(微信)
  • RED(小紅書)

それぞれの特徴を詳しく解説します。

Weibo(新浪微博)

Weiboは中国版X(Twitter)とも呼ばれる短文投稿型のSNSで、トレンド情報が拡散されやすいのが特徴です。ユーザー数は5億人以上と規模が大きく、企業やKOLの情報発信の場として活発に利用されています。ライブ配信機能も備えており、KOLによるライブコマースも盛んに行われています。

Wechat(微信)

WeChatは中国で広く普及しているメッセンジャーアプリで、日常生活に不可欠なインフラとなっています。単なるメッセージアプリではなく、モーメンツと呼ばれるSNS機能や決済・予約などが可能なミニプログラムなどの機能も搭載されています。

RED(小紅書)

REDは口コミ投稿型のSNSで、若年層の女性を中心に人気を誇ります。美容やファッション、旅行などのジャンルが特に活発で、消費意欲の高いユーザーが集まっているのが特徴です。Instagram風の写真・動画投稿とレビュー機能が融合しており、ユーザーは商品の実際の使用感を確認しながら購入するかどうかの判断ができます。

日本人・中国人KOLの例

日本人・中国人KOLの例

実際に活躍している日本人と中国人のKOLの具体例を紹介します。

日本人KOL

3名の日本人KOLを紹介します。それぞれの専門性と影響力から、KOLマーケティングの可能性を考えてみましょう。

管理栄養士:五十嵐ゆかりさん

五十嵐ゆかりさんは管理栄養士・料理研究家として活躍するKOLです。栄養学の専門知識を活かした健康的で手軽なレシピを紹介しているのが特徴で、主婦や一人暮らしの学生から支持を得ています。管理栄養士という肩書きが信頼性を高めている典型的なKOLの例です。

美容と日本文化:伊藤小雪さん

伊藤小雪さんは中国人向けに美容と日本文化の動画を配信するKOLで、55万人以上にフォローされています。異文化コミュニケーションに精通しており、大学で民俗学を学んだ経験を活かし、中国進出を目指す日本企業のアドバイザーとしても活躍しています。日中の文化的架け橋となるKOLの例です。

精神科医:樺沢紫苑さん

樺沢紫苑さんは精神科医としての専門知識を活かし、メンタルヘルスに関する情報をYouTubeやXなどで発信するKOLです。進路やいじめ、親子関係など若年層の悩みに寄り添うコンテンツが支持され、医師という立場から情報発信しているのが、一般的なインフルエンサーと異なる点です。

中国人KOL

代表的な中国人KOLを3名紹介します。

ライブコマース:李佳琦Austin

李佳琦は中国のライブコマース界で有名なKOLです。元ロレアルの美容部員という経歴を持ち、豊富な化粧品の知識と魅力的なトークで多くのフォロワーを獲得しています。男性でありながら自ら口紅を塗るパフォーマンスが話題となり、視聴者の注目を集めることに成功しました。

製品安全検査の専門家:老爸评测

老爸评测は製品安全検査のKOLです。17年間の製品安全検査と認証業務の経験を持つ専門家で、食品や日用品の安全性を専門的な視点から評価する動画が支持を集めています。消費者の安全意識が高まる中、彼が発信する情報は製品の安全性を判断する際の重要な参考源となっています。

フィットネス:帕梅拉Pamela Reif

帕梅拉はドイツ出身のフィットネス系KOLで、中国では「黄金バービー」の愛称で親しまれています。ダイエットに関心の高い中国の若年女性から支持されており、RED(小紅書)では中国語を話さず英語でフィットネス指導を行っています。国籍や言語の壁を越え、国際的に影響力を持つKOLの代表例です。

KOLマーケティングを依頼する方法

KOLマーケティングを依頼する主な方法は以下の3つです。

  • 直接KOLに依頼する
  • 代行サービスを利用する
  • ツールを活用する

それぞれ詳しく解説します。

直接KOLに依頼する

SNSのダイレクトメッセージなどを通じてKOLと直接コンタクトを取り、自社の商品やサービスについて説明し、協力を依頼します。中間マージンがかからないため費用を抑えられるのがメリットです。

なお、中国などの海外KOLと仕事をする場合は、現地の広告規制を事前に調査し、その国の文化に合った表現方法を理解しておくことが重要です。影響力の大きいKOLは事務所に所属していることも多く、その場合は事務所を通じての交渉が必要になります。自社のニーズに最適なKOLを見極める目利き力も求められるでしょう。

代行サービスを利用する

代行サービスは、初めてKOLマーケティングに取り組む企業や海外展開を検討している企業におすすめです。現地の言語での交渉や複雑な契約書作成、報酬の支払いまで一括して対応してくれます。企業のターゲットや予算に合わせて最適なKOLを提案してもらえるため、効果的なマッチングが期待できるでしょう。

費用はKOLに直接依頼する場合より高くなるケースもありますが、専門知識がなくても安心してKOLマーケティングを始められるのがメリットです。

ツールを活用する

KOL選定から効果測定まで一貫して管理できるツールを活用するのも一つの方法です。例えば、Meltwaterの場合、AIを搭載した検索機能で自社ブランドに最適なKOLを見つけ出し、契約から支払いまでワンストップで管理できます。

Meltwaterを導入している企業では平均して投資収益率が3倍に向上するなど、工数削減とパフォーマンス向上を両立させています。複数のKOLとの関係管理や大規模キャンペーンを効率的に行いたい企業におすすめです。

▶︎Meltwaterのインフルエンサーマーケティングツール

KOLマーケティング成功のポイント

KOLマーケティングで成果を出すには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • まず現地の市場・文化のリサーチを行う
  • ターゲットにあったKOLを選ぶ
  • KOLの専門性に沿った商品をPRしてもらう

それぞれ詳しく解説します。


まず現地の市場・文化のリサーチを行う

KOLマーケティングで成果を出すには、まずターゲット市場の徹底的なリサーチが不可欠です。特に海外市場の場合、現地の文化や消費者行動などを深く理解することが重要です。現地の美意識や価値観が製品の受け入れられ方に大きく影響するため、表現方法や訴求ポイントを現地に合わせて調整しましょう。

さらに、広告に関する法規制や商習慣も把握しておかないと、思わぬトラブルを招く恐れがあります。事前の綿密なリサーチがKOLマーケティングの土台となります。

ターゲットにあったKOLを選ぶ

自社商品のターゲットと重なるフォロワー基盤を持つKOLを選びましょう。例えば、20代女性向けの商品なら、その層から高い支持を得ているKOLとのコラボレーションが効果的です。選定の際にはフォロワー数だけでなく、投稿へのコメントや「いいね」の数などによるエンゲージメント率も注目すべき指標となります。

また、KOLが自社のブランドイメージと合致しているかについても確認しましょう。ミスマッチがあると、たとえ一時的に注目を集めても、ブランドの長期的な構築には逆効果になる可能性があります。

KOLの専門性に沿った商品をPRしてもらう

栄養士のKOLには健康食品、皮膚科医のKOLにはスキンケア製品など、KOLの専門知識を活かせる商品を紹介してもらいましょう。KOLの最大の強みは、特定分野における専門性と信頼性だからです。

PRの際は、KOL自身の言葉で語ってもらうことも大切です。過度に台本を固定せず、KOLの個性や意見を尊重することで、より自然で信頼性の高い発信が可能になります。

まとめ|KOLの影響力をマーケティングに活かそう

KOLは特定分野における専門知識や経験を持ち、その専門性によって消費者からの高い信頼を獲得している存在です。特に中国市場ではKOLマーケティングが発展しており、PR投稿やライブコマースといった手法を通じて商品のプロモーションを行うことができます。KOLの影響力を自社のマーケティング戦略に積極的に取り入れ、マーケティング施策で成果を出しましょう。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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