世界最大規模の動画共有プラットフォームである、YouTube。近年では個人・法人問わず、YouTubeにチャンネルを開設して広告収益などを得るケースも増えてきました。
そこで今回は、YouTubeで収益を得る方法や広告収益を得るための条件・コツについて解説します。記事の最後ではYouTube運用において役立つツールについても紹介しますので、YouTubeで収益を得る方法について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
YouTube上で収益を得る方法は7種類
YouTube上の収益方法には、広告収益をはじめメンバーシップやショッピング機能など、さまざまな方法があります。この章では、YouTube上の収益方法として現在認められている6つの方法について紹介します。
広告収益
広告収益はYouTubeの収益化方法として最もよく知られており、多くの動画配信者がこの方法で広告収益を得ています。
YouTubeにおける広告収益は、広告を配信している広告主からYouTubeに広告掲載料金が支払われ、その後YouTubeから動画配信者に収益が支払われるという仕組みで成り立っています。
これまでの動画広告はテレビCMが主流でしたが、最近ではYouTube利用者数の増加に伴い、YouTubeに広告を掲載する広告主が増えてきました。
動画配信者は、動画の前後や途中で流れる「動画広告」や、動画の下部に出てくる静止画広告「オーバーレイ広告」などの再生時間や再生回数に応じた金額を、広告収益として受け取ることができます。
チャンネル メンバーシップ
チャンネルメンバーシップは、視聴者に自身のチャンネルのメンバーシップになってもらうことで収益を得る方法です。
YouTubeのチャンネルメンバーシップとは、分かりやすくいうとファンクラブのようなシステムで、視聴者は月額料金を払うことでメンバーシップに参加でき、バッジ・絵文字・限定公開コンテンツなど、メンバー限定の特典を受けられるようになります。
月額料金や提供する特典はチャンネル開設者が設定することができ、月額料金の一部を受け取ることが可能です。メンバーシップを多く獲得するほど、高い収益を得ることができます。
ショッピング
ショッピング機能を使えば、自身のECストアで販売している商品を視聴者に宣伝することができるので、収益につながります。
YouTubeのショッピング機能では、YouTubeにECストアを紐づけることで、動画やライブ配信において商品をタグ付けしたり終了画面で商品を表示したりと、商品を直接視聴者にアピールすることができます。
また、動画やライブ配信の下にあるグッズ紹介セクションにはグッズが表示され、さらにチャンネルの「ストア」 タブも表示されます。Youtube上に自分の店を持ち商品を宣伝、販売することができるので、チャンネル登録者やメンバーシップを多く獲得すれば購入率のアップも見込めるでしょう。
Super Chat と Super Stickers
スーパーチャットとは、ライブ配信中やプレミア公開中に視聴者からコメントによる支援を受けられる機能で、いわゆる「投げ銭」のことです。視聴者は、料金を支払うことで自分の投稿したコメントを目立たせることができます。
スーパーチャットでは、視聴者が支払う金額によってコメントに色・文字数・表示時間が変わり、投入金額が高いほど、文字数が多い、表示時間が長いなどの優遇を受けられます。動画配信者は投入金額の一部を報酬として受け取ることが可能です。
スーパーチャットの派生として、スーパーステッカーもあります。これは、ステッカーを購入することで、チャット内に画像やアニメーションを表示させることができる機能です。
いずれも、動画配信者に拍手を送り、応援する機能として位置付けられています。
Super thanks
スーパーサンクスも投げ銭機能ですが、スーパーチャットやスーパーステッカーと異なる点は、投稿済みの動画に利用できることです。スーパーサンクスを送った視聴者のコメントも、色付きで表示されます。スーパーサンクスも、投入金額が高いほどコメント欄で目立たせることができるため、熱心なファンを多く獲得することで高い収益を狙うことができます。
YouTube Premium の収益
YouTubeプレミアムは、2018年に開始された月額有料のサービスです。YouTubeプレミアムの会員になるメリットとしては、広告が一切表示されないうえに、オフラインでの動画再生やバックグラウンド再生が可能になることなどが挙げられます。
ここで、「広告が表示されなければ、広告収入が入らないのでは?」と思われる人もいるかもしれません。しかし、YouTubeプレミアムは有料会員が支払う月額料金を配信者に分配するシステムで運用されています。
よって、動画の再生回数が多いほど分配される金額も高くなります。オフラインの再生回数も含まれるので、オフライン再生が繰り返されるような動画を配信することで、分配される金額を増やすことができるでしょう。
YouTubeで広告収益を得るには
この章では、YouTubeの収益化において最もポピュラーな方法として知られている広告収益について、掲載先や条件、フォーマットの種類などについて詳しく解説します。
YouTubeに掲載する広告はGoogle AdSense
Google AdSenseとは、サイトの収益化に最適なシステムとしてGoogleが提供している広告サービスです。そもそもYouTubeはGoogleが運営しており、YouTubeにおける広告収益は、Google AdSenseが提供する広告の再生時間と再生回数で決まります。ユーチューバーの多くが、Google AdSenseによる広告収益を得ています。
よってYouTubeで広告収入を得るには、Google Adsenseのアカウントを開設したうえで、Google Adsenseと自身のYouTubeチャンネルを紐づける必要があります。この方法については、後述します。
YouTubeで広告収益を得るための条件
YouTubeで広告収益を得るためには、YouTubeパートナープログラムに参加する必要があります。YouTubeパートナープログラムとは、YouTubeに投稿した動画を収益化できるプログラムのことです。参加するための条件を満たしたうえで審査を通過すると、動画を収益化させるために必要な機能を使うことができます。
この章では、YouTubeパートナープログラムに参加するための4つの条件について解説します。
チャンネル登録者数が1,000 人以上
1つ目の条件は、自身のチャンネルの登録者数が1,000人以上であることです。YouTubeには、1,000人以上が登録しているチャンネルが数多くあり、特に人気ユーチューバーや有名人のチャンネル登録者数ともなると万単位に上ります。しかし、実際のところ登録者を1,000人獲得することは容易ではありません。
再生回数だけではなく登録者数を増やすためには、自分のチャンネルのファンを増やすことになります。そのため、「このチャンネルの動画をもっと見たい」と視聴者に思わせるような、質の高い動画を継続的に配信することが大切です。
過去 12 か月間の総再生時間が 4,000 時間以上
2つ目の条件は、動画の総再生時間が直近12ヶ月で4,000時間以上であることです。4,000時間以上を達成するには、例えば10分間の動画1本の場合、24,000回以上の再生回数が必要です。ただしここで注意したいのは、再生回数ではなく再生時間であること。よって視聴者に最後まで見てもらい、かつ「また見たい」と思わせる動画を配信することが求められます。
また、動画の再生回数は公開されている動画のみです。限定公開や非公開、削除された動画、広告キャンペーン、ショート動画はカウントされないので、注意しましょう。
YouTube の収益化ポリシーを遵守している
3つ目の条件は、YouTubeの収益化ポリシーを満たしていることです。YouTubeパートナープログラムでは審査時に、以下の主なポリシーを遵守しているかチェックされます。
- コミュニティガイドライン
- 利用規約
- 著作権
- Google AdSenseプログラムポリシー
- 広告掲載に適したコンテンツのガイドライン
公序良俗に反しない、健全な動画を配信するチャンネルであれば問題ありません。しかし、暴力的なシーンやアダルトシーン、差別や誹謗中傷などを含む動画はポリシーに反します。この場合、YouTube パートナー プログラムに参加することができないだけでなく、広告表示の無効化やチャンネル停止などの措置を受けることになるので、注意しましょう。
Google AdSenseのアカウントを持っている
4つ目の条件は、Google AdSenseのアカウントを持っていることです。アカウントを開設するには、Googleアカウントと、AdSenseプログラムポリシーに準拠している独自に作成したコンテンツ(Webサイトやブログなど)が必要です。
アカウントの開設方法は、以下のとおりです。
- Google AdSenseのサイトにアクセスし、「ご利用開始」をクリックする。
- Googleアカウントにログインし、広告を表示するチャンネルのURLを入力する。
- アカウントの状況に合わせたヘルプ情報や掲載結果の最適化案に関するメールを希望するかどうか選択する。
- お支払い先住所の国または地域を選択する。
- AdSense利用規約を確認し、同意する。
- 「AdSenseの利用を開始」 をクリックし、AdSenseアカウントにログインすれば開設完了。
YouTubeの広告フォーマットの種類
では、実際に動画に表示されるのはどのような広告なのでしょうか。YouTubeの広告フォーマットの種類についてそれぞれの特徴を説明します。
スキップ可能な動画広告
この動画広告は、5秒間再生された後スキップできる広告です。広告が流れて5秒経過するとスキップボタンが表示され、それをクリックすると元の動画に戻ることができます。動画広告の中でもよく見かけるフォーマットで、動画の再生前後または再生中に広告が表示されます。広告収益は、視聴者が動画を 30 秒間視聴した場合か、30秒経つ前に動画を操作した場合に発生します。
スキップ可能な動画広告を利用すると、動画の離脱率が低下するだけなく、視聴者にスキップの選択肢を提供することで、長めの広告を掲載することも検討できるといったメリットがあります。
スキップ不可の動画広告
地域の標準に応じて15秒または20秒以内に再生される広告で、スキップができません。よってこのフォーマットを選択すれば、スキップさせずに動画広告をすべて視聴してもらうことができます。
スキップ不可のインストリーム広告では目標インプレッション単価制が採用されており、広告の表示回数に応じて広告収益が発生します。
バンパー広告
バンパー広告は、最長6秒のスキップ不可の広告です。短く、かつ記憶に残るメッセージで幅広い視聴者にリーチさせたいときに使われます。
バンパー広告もインプレッション単価制が採用されており、広告が 1,000 回表示されると広告収益が発生します。
オーバーレイ広告
オーバーレイ広告とは、動画内に表示される画像またはテキストで出来た広告のことで、YouTubeでは、動画の下部に表示されます(画面の占有率は約20%)。広告には閉じるボタンが付いているので、不要であれば消すことができます。
オーバーレイ広告は大きく目立つため、認知の拡大を目的に利用されます。また、広告主としては、動画広告がなくてもYouTubeへ出稿できるのもメリットの一つです。広告収益はクリック回数に応じて発生します。
YouTubeで収益を得るためのコツ
ただ動画を継続的に配信するだけでは、YouTubeで収益を得ることはできません。先述したとおり、YouTubeの広告収益はチャンネル登録者数や再生回数、再生時間によって左右されます。この章では、それらを効率的に増やすためのコツについて説明します。
YouTubeチャンネルのコンセプトを明確にする
チャンネルコンセプトとは「自分のチャンネルを通して視聴者に何を伝えたいのか」「チャンネルを開設して自分はどうなりたいのか」ということを明確にしたものです。
コンセプトを決めていくうえで大切なポイントは、チャンネルの将来像を具体的にイメージすることです。YouTubeで安定的に収益を得るためには、長期的な視点で投稿していくことが求められるからです。
コンセプトを明確にすれば、統一された世界観を持った動画が作ることができるので、ファンが付きやすくなり、チャンネル登録の途中離脱を防ぐことにもつながるでしょう。
チャンネルを開設してまもない内は、チャンネル登録者数や再生回数を増やすことばかりを意識しがちですが、目先の結果にとらわれず、将来的なチャンネルのイメージを明確にしておくことが収益化成功の近道だといえます。
ターゲットを明確に定める
チャンネルを成長させるためには、視聴者の特徴を理解することも重要です。視聴者像を明確にすることで、視聴者が共感できる動画を作ることができるからです。共感してもらえば動画をシェアしてもらうことにもつながるので、チャンネル登録者数や再生回数をより増やすことができるでしょう。
「とにかく多くの人に見てもらいたい!」という気持ちから、一貫性のないさまざまな企画や人気の企画を手当たり次第に採用しても、視聴者の心には刺さりません。自分のチャンネルコンセプトに沿ったターゲットを意識して動画を作ることが大切なポイントです。
ターゲットを決めるときに意識しておくべきことは、以下があります。
- 性別
- 年齢
- 子供の有無
- 視聴する時間帯
- 端末(スマホなのかパソコンなのか)
- ニーズ(どのような動画を求めているのか)
競合調査・トレンド調査を行う
YouTubeで収益を上げるためには、競合調査やトレンド調査が欠かせません。ライバルのチャンネルを分析し比較することで、自分のチャンネルの課題点を洗い出すことができ、動画運営の改善に役立てることができるからです。
競合調査やトレンド調査を行うときは、以下の項目を分析しましょう。
- 長所と短所
- どのような内容なのか
- 自分のチャンネルと類似している点
- ターゲット層
- 認知度や拡散力
そして競合分析を行うと、以下が明確になります。
- 視聴回数が多い動画の傾向
- 視聴回数が少ない動画の傾向
- ライバルチャンネルにはあるが自分のチャンネルにないこと
- ライバルチャンネルにはないが自分のチャンネルにあること
人気のチャンネルには、人気になった理由が必ず存在します。それを追求し明確にすることで、動画配信の方向性も改善されるでしょう。
競合調査・トレンド調査を行うためのおすすめのツールが、Meltwaterのソーシャルメディアモニタリングです。このツールを使うと、常に競合他社や業界の最新の動向を把握することができるので、効率的かつ省力的なメディアの運営が実現します。
詳しくはこちらもご覧ください。
定期的に高頻度で動画投稿を続ける
YouTubeの登録者数や再生回数を増やすためには、定期的かつ高頻度な投稿を行うことも大切なポイントの一つです。
チャンネルを開設したばかりの頃は、何をすれば効果的に登録者数や再生回数を増やせるのか分からないでしょう。そこで高頻度で動画を投稿し、思わぬ「バズり」を狙うのも一つの手なのです。
また、YouTubeとしてはより多くの広告を動画に差し込みたいので、開設したばかりのYouTubeチャンネルでも定期的かつ高頻度に投稿を続けていれば、多くの人に見られるようピックアップ表示をしてくれます。このような機会を逃さないためにも、まずは最低でも一週間に3~4日は投稿することをおすすめします。
動画のクオリティを高める
YouTubeで安定的に収益を得るには、動画のクオリティも非常に重要です。
いくら動画を高頻度で投稿しても、すぐに離脱されれば再生時間は伸びず、当然ながら広告収益も増えません。よって動画は、最後まで見てもらえる良質なものにすることが求められます。
良質な動画に仕上げるためには、制作前に「どのような動画が再生されやすいか」、「視聴者は今どのような動画を求めているのか」ということを分析することから始まります。また、内容だけでなく映像や演出のクオリティにもこだわりましょう。いくら魅力的な企画でも、画質や音が悪かったりチープな演出であったりすると、印象に残らない動画になってしまいます。
投稿を分析してPDCAを回す
動画投稿を分析するツールの一つに、YouTubeアナリティクスがあります。YouTubeアナリティクスは、YouTubeに投稿した動画やチャンネルのアクセス解析ができるツールです。利用するにあたって特別な設定は必要なく、YouTubeのアカウントを持っていれば誰でも無料で利用できます。
YouTubeアナリティクスで分析する際に意識すべきことは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことで改善を重ねてゆくPDCAサイクルです。
YouTubeアナリティクスでは、チャンネル登録者数・総再生時間・視聴維持・高評価数・インプレッションのクリック率などを確認することができるため、適宜確認しながらPDCAサイクルを効率良く回して運用するようにしましょう。
YouTubeで得た収益は確定申告が必要?
YouTubeの収益は税務上、課税の対象となります。よって、本業・副業にかかわらずYouTubeで一定の収益を得ている場合、確定申告が必要です。
最後に、YouTubeの収益で確定申告が必要となる条件や不要になるケースについて解説します。
確定申告が必要なケース
会社員などで給与所得を得ながら副業としてYouTube収益を得ている人で、年間の所得が20万円以上の場合は確定申告が必要です。また、YouTuberとして本業でYouTube収益を得ている場合、48万円を超えると確定申告が必要となります。
確定申告の必要が無いケース
学生や専業主婦・主夫などの場合、YouTube収益から経費を差し引いた金額と、その他の所得を合算した金額が48万円以下であれば、確定申告をする必要はありません。また、育児休業給付金のみをもらっている場合でも、所得の合計額が48万円以下であれば、確定申告は不要です。
YouTube運用で収益アップを目指そう
YouTubeチャンネルを収益化する方法には、メンバーシップやショッピング、3つのスーパー投げ銭機能などがあります。中でもよく実践されている方法は動画広告ですが、広告収益を得るためには条件があり、さらに広告フォーマットの種類と特徴を理解したうえで、最適なものを選ぶことが広告収益を得る近道です。また、YouTubeで安定的に収益を得るためには、コンセプトやターゲットを明確にすることや、高頻度の投稿、分析ツールを使った競合調査などを行うことが大切なポイントです。
YouTubeの収益化を目指したチャンネル運用には、Meltwaterの利用がおすすめです。高性能な分析ツールが多角的な視点からアプローチすることが可能で、YouTubeの運営戦略をサポートします。
詳しくはMeltwaterの公式サイトをご覧ください。