Instagramは、適切に運用することで売上や認知度の向上につながる有用なSNSです。
しかし、「成果につながっていない」「どのように改善すればよいのか分からない」と悩まれているSNS運用担当者さまも存在します。
そこで本記事では、Instagram運用の全体像から、すぐに使える具体的なノウハウまで紹介します。ぜひ本記事のInstagram運用の成功パターンを参考に、自社アカウント運営にお役立てください。
【Instagram運用①】成功するための前提を理解する
【Instagram運用②】明確な目的・目標を設定する
【Instagram運用③】ポイントを押さえてアカウントを設計する
【Instagram運用④】フォロワーが増える仕組みを認識する
【Instagram運用⑤】フォロワーが増える運用施策とポイントを解説
【Instagram運用⑥】効果測定と改善を繰り返す
Instagram運用の効率化・自動化は「Meltwater」
Instagram運用は各項目を最適化すれば成果につながる
【Instagram運用①】成功するための前提を理解する
Instagramで期待する効果を得るため、知っておきたい前提を解説します。
本記事では具体的な運用のポイントを紹介していきますが、「適切な運用を行うための前提」を理解しておくことが重要です。
なぜなら、失敗しやすい理由の一つに、テクニックばかりを重視しているパターンが考えられるからです。そこでまずは、Instagram運用で押さえておくべき前提知識を解説します。
目的達成につながるアカウント設計・投稿内容
Instagramのアカウント設計や投稿内容は、「運用目的の達成につながるか」を意識しなければなりません。企業におけるInstagram運用の目的には、売上アップやブランディング強化、認知度向上などが挙げられます。
目的とのズレが生じたInstagram運用をしてしまうと、思うような成果を得られません。
例えば、売上につながらないプレゼントキャンペーンや、安易なコラボレーションなどが挙げられます。キャンペーンや投稿内容が目的に沿っているか確認しながら運用することが重要です。
アルゴリズムを意識した運用
Instagramのアルゴリズムとは、フィードや発見タブ、リールタブなどで、コンテンツの表示順を決めるための仕組みです。表示回数が多く順位が高いほど、ユーザーに投稿を閲覧してもらえる可能性が高くなります。
例えば、フィードやストーリーズでは「関心度」「親密度」「鮮度(フィードのみ)」の要素を重視しているといわれています。具体的な内容は以下の通りです。
・関心度
ターゲット層の興味・関心のある内容・コンテンツであるか
・親密度
自社アカウントとユーザーがどれくらい親密であるか
・鮮度
新しい投稿であるか
なお、リールや発見タブのアルゴリズムは上記と性質が異なるので、それぞれを把握したうえで最適な運用を行うことが重要になります。また、アルゴリズムはアップデートされるものなので、継続した情報収集も重要です。
適切な効果測定と改善施策
今までの投稿やキャンペーンを顧みず投稿をしていても、期待した効果を得にくい傾向があります。そこで大切になるのが、Instagramインサイトや外部のアカウント管理ツールを活用し、投稿内容に関するデータを分析・改善していくことです。
投稿内容と各指標の数値を照らし合わせたり、データの推移を確認したりすることで、課題の抽出や改善策の立案につながります。
Instagramの運用に活用される主な指標は以下の通りです。
- フォロワー数
- エンゲージメント数
- リンク遷移数
- ハッシュタグ付きの投稿数
- 投稿時間
- プロフィールアクセス率
- フォロワー転換率
各指標の詳細は後に詳しく解説します。
【Instagram運用②】明確な目的・目標を設定する
Instagram運用において明確な目的・目標設定が不可欠といわれる理由について説明します。
また、具体的な設定方法や企業アカウントでよく採用されている指標について紹介します。
Instagram運用に目的・目標設定が必要な理由
Instagramは多様なアプローチができるため、マーケティングの活用に有用なSNSです。一方で目的・目標が明確になっていないと、本来アプローチすべきターゲットが不明瞭なまま、適切な施策が分からず運用することになってしまいます。
例えば、同じ業種・業態でも目的を「認知拡大」とするのか「ECサイトの売上増加」とするのかによって、施策は異なります。
また、InstagramをはじめとするSNSは、「フォロワー数」や「いいね数」などの数値を確認できることも、目的・目標を設定すべき理由の一つです。KGI・KPIなどの定量的な目標との親和性が高く、効果的な運用につなげやすいといえます。
目的を設定する
目的・目標を設定する重要性やInstagramの運用にどのような影響を与えるのかを解説します。
Instagramアカウントを運用する目的は業種により異なりますが、一般的に「商品の認知拡大」「ブランディング」「売上向上」などが挙げられます。このような目的を明文化することで、Instagramにおける運用方針の明確化につながります。
また、運用目的により戦略やKGI・KPIも異なるため、自社の企業戦略に基づいて適切な運用目的を定めることも大切です。つまり、企業がInstagramで一貫したマーケティング戦略を実行するためには、運用目的の正しい設定が重要といえます。
目標達成のスケジュールを設定する
KGI・KPIは数値目標だけではなく、達成までの期限を設けなければなりません。
そこで、最終目標に向けたマイルストーン(中間目標)を設置し、スケジュールを立てる必要があります。
なぜならマイルストーンを設定することで、月次や週次の進捗具合を把握することができるからです。例えば、6カ月後にフォロワー1万人を目指すとした場合、1カ月後はフォロワー1,000人、3カ月後はフォロワー5,000人のような目標を置き、それに準ずる施策を実施していきます。
その結果、月ごと、週ごとに何をすべきか明確になり、効率的な運用ができるようになります。
KPIを設定する
Instagram運用における最適なKPIは目的や実行する施策により異なるため、自社アカウントの目的や戦略を確認しながら選択することが重要になります。企業アカウントでよく使用されるKPIは以下の通りです。
KPI | 解説 |
---|---|
フォロワー数 | アカウントをフォローしている人の数 |
プロフィールアクセス率 | 投稿したコンテンツからプロフィールに遷移したアカウントの割合 |
フォロワー転換率 | プロフィールに遷移してきたユーザーがフォロワーになった割合 |
自社サイトへの遷移率 | Instagram経由で自社のWebサイトに遷移したユーザーの割合 |
Instagram経由のカートイン数 | ショッピング機能がついた投稿から、商品をショッピングカートに入れた数 |
エンゲージメント率 | 投稿に対してユーザーが、「いいね」「コメント」「保存」した割合 |
保存率 | 投稿を閲覧したユーザーが保存した割合 |
ホーム率 | 自社アカウントの投稿が、フォロワーのホーム画面「フィード」内で閲覧された割合 |
上記の指標はKPIとして運用の成果を定量的に確認できることはもちろん、アカウントの改善点を見つけることにも役立ちます。
【Instagram運用③】ポイントを押さえてアカウントを設計する
アカウント設計とは、どのようなユーザーに向けて情報発信をするかなどの方向性や運用ルールを定めることです。目標・目的を達成するためには、アカウント設計が重要といわれています。ここでは、その理由とアカウント設計のコツを解説します。
アカウント設計が重要な理由
アカウント設計は、目標達成に向けた設計図のようなものです。アカウント設計を怠ると、ターゲットとなるユーザーに投稿内容が刺さらないほか、世界観やブランドイメージが正確に伝わりません。
数多くのアカウントが存在する中でユーザーにフォローしてもらうには、自社をフォローするメリットを分かりやすく伝えることが重要です。
またチームで運用する場合、明確なアカウント設計を行うことで「同じクオリティを保つことができる」といった利点もあります。
ペルソナ・カスタマージャーニーを設定する
ペルソナとは、自社のターゲットとなる人物像を詳細に設定することです。ターゲットが30代、男性、会社員、お酒好きのようなユーザー層を示すのに対し、ペルソナはより具体的な情報にまで落とし込みます。
例えば下記のように、実際にいる人物であるかのように掘り下げます。
- 山田優斗
- 34歳 男性 未婚
- 営業職(主任リーダー)
- クラフトビール好き
- 人間関係は狭く深くタイプ
また、カスタマージャーニーの設定も重要です。カスタマージャーニーとは、ユーザーが商品・サービスと出会い、購入に至るまでの道筋のことを指します。各フェーズごとに異なるユーザーの行動・思考を可視化して、最適なアプローチを検討するために役立てることができます。
競合アカウントを調査する
自社アカウントと類似する競合アカウントを調査することも重要です。すでに成功しているアカウントをベンチマークすることで、成功パターンや、エンゲージメントの高い投稿を参考にすることができます。
例えば、どのようなテーマ、画像を投稿しているのかといったクリエイティブ作成のコツから、配信の時間帯や頻度なども参考になります。また、プロフィールやキャンペーン内容なども分析したい点です。
後発でアカウント作成した場合フォロワー数という点で不利になりますが、Instagram運用に成功している競合を参考に、質の高いアカウント設計ができる点はメリットといえます。
アカウントの世界観を統一する
ユーザーがアカウントを見た瞬間の雰囲気は、フォローするかどうか判断される要素の一つです。ユーザーに興味を持ってもらうためには、かわいい・かっこいい・シンプルなど見た目のテーマやカラーに、自社ブランドが持つ世界観を反映させる必要があります。
そのためには、アカウントのトンマナ(トーン&マナー)を統一しなければなりません。トンマナとは、色の統一感や写真・デザインの方向性、文体などのルールを示す言葉で、ブランディングにおいて重要な概念です。
ただし、自社の世界観を全面に押し出すだけでなく、ユーザー層も考慮した微調整も必要となります。
【Instagram運用④】フォロワーが増える仕組みを認識する
アカウント設計ができた後は、さまざまな手法を使ってInstagramでの集客を行っていきます。しかし、そのためにはフォロワーが増える仕組みを認識して運用しなければなりません。
ここでは、Instagramでフォロワーが増える具体的なフローや、フォロワーを増やすために大切な要素を解説します。
Instagramでフォロワーが増えるフロー
フォロワー増加の近道は、下記に記載するフォロワー増加のフローを認識し、ステージごとに最適化を図ることです。
- 投稿がフォロワーに見られる
- フォロワー以外にリーチが拡大する
- プロフィールへのアクセスが増加する
- フォローされる
フォロワー以外のユーザーへのリーチが最初の課題です。それを突破するためには、フォロワーのフィード欄に自社の投稿が表示されるホーム率向上を目指します。
ホーム率にはフォロワーのリアクションが関係しています。具体的には、いいねやコメントなどのエンゲージメント、ストーリー投稿・インスタライブの視聴による滞在時間などです。これらが増加する施策を実行することで、ホーム率が向上しフォロワーの増加につながります。
アルゴリズムを認識しておく
フォロワーのフィード欄での表示順位を決めるアルゴリズムを理解すると、効果的な運用が可能になります。Instagramのアルゴリズムは公式には発表されていませんが、「公式のミッション」をもとに設計されています。公式のミッションの内容は「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」です。
ユーザー同士の距離に該当する「コメントやDMの数」、ユーザーと投稿の距離に該当する「ニーズにマッチした投稿」が重要です。Instagramの運用では、この2つの距離を縮めていくことが求められています。
また、フォローしていないユーザーの投稿が表示される「発見タブ」への表示を増やすことが新しいフォロワー獲得につながります。そこでも、フォロワーからの「いいね」や「保存数」などのエンゲージメントを獲得することがポイントです。
「ユーザーニーズ」という本質を忘れない
Instagramはハッシュタグ対策に注目されがちですが、それだけではエンゲージメントやフォロワー数は伸びにくいとされています。やはり大切なのが、ターゲットとなるユーザーのニーズにあった投稿を継続して行うことです。
細かなテクニックもフォロワーや売上の増加につながる要素ですが、当初設計した自社のコンセプトや、ユーザーニーズに沿った投稿をブレずに行うことを意識しなければなりません。あらかじめ投稿内容を精査し、計画的に配信することをおすすめします。そのためには、予約投稿を活用しまとめてスケジュール設定をしておくとよいでしょう。ユーザーニーズを捉えたコンテンツを安定して配信しやすくなります。
【Instagram運用⑤】フォロワーが増える運用施策とポイントを解説
フォロワーを増やすためにはどのような投稿や企画などを行っていくべきなのでしょうか。
前述した通り、計画性のない運用では成果につながりにくくなってしまうため、ここからは効果的なコンテンツを作成するために意識するべきことを紹介します。
滞在時間を延ばす投稿をする
Instagramのアルゴリズムにおいて、ユーザーの滞在時間が多い投稿やアカウントは、フォロワー以外外にも表示されやすい傾向にあります。そのため、投稿内容をよく検討して滞在時間を延ばす工夫をすることが重要です。
具体的には「文字入れコンテンツ」「写真の枚数増加」「インスタライブの実施」などが挙げられます。
文字入れコンテンツとは、写真自体に文字を入れ「読ませるコンテンツ」を作成することです。また、1回の投稿に挿入する写真を増やす方法も滞在時間の延長につながります。さらに、インスタライブはフォロワーとのエンゲージメント向上にも効果的といわれてます。
フォロワーとコミュニケーションを取る
フォロワーのアカウントに「いいね」「フォロー」「コメント」などのアクションを積極的に行うことも有効です。
自社商品・サービスと関連のある投稿にアクションを起こすことで、顧客との良好な関係構築につながり、エンゲージメント率を高める要因になります。
また、ストーリーズでオフショットの配信や、期間限定のキャンペーンを実施する方法も効果的です。普段見ることのできないオフショットはユーザーの関心を集めやすく、ロイヤルティ形成にも期待できます。期間限定のキャンペーン実施は、ユーザーにアカウントを定期的に見てもらえるきっかけになる施策です。
UGCが生まれる企画を実施する
UGCとは、ユーザー生成コンテンツと訳され、一般ユーザーによって作られたコンテンツのことです。UGCが増加することで発見タブへの表示につながり、フォロワー外へのリーチが期待できます。UGCを増やすためには、ユーザーが自社商品・サービスに関する情報を発信しやすくなるキャンペーンなどの土台作りが重要です。
また、UGCはエンゲージメントを獲得しやすく、そこからフォロワー増加、商品やサービスの購入への動線となる場合が多いため、売上へのインパクトも大きくなります。
フォロワーが増えるキャンペーンを実施する
キャンペーン実施も効果的な施策です。ただし、単純にセールなどを実施するのではなく、エンゲージメントやUGCが増えるようなキャンペーンを実施しましょう。
具体的には、ストーリーズの質問ボックスを活用し、質問やアンケートを実施する方法です。質問に答えることでユーザーも楽しみながら参加でき、エンゲージメント向上が期待できます。
また、写真とハッシュタグを付けた投稿が条件となるキャンペーンでは、投稿したくなるような仕掛け作りが重要です。ハッシュタグだけでも話題性があるキャンペーンを実施できれば、UGCの創出につながります。
公式サイトや他のSNSと連携させる
公式サイトにInstagramのフォローボタンを設置することで、流入経路が増えフォロワーの獲得に貢献してくれます。
また、公式サイトにInstagramの投稿を表示することも効果的です。昨今では自社の投稿だけでなく、UGCをサイトに掲載し、プロモーションとして活用している事例もあります。
また、Instagramの投稿をTwitterやFacebookに投稿する設定も可能です。運用の効率化はもちろん、他のSNSからの流入も期待できます。
Instagram広告を使う
Instagram広告とは、フィード・発見タブ・ストーリーズ・リールなどに表示される広告です。画像やテキスト、ショート動画など多様な手法でアプローチできます。
コストは発生しますが、数多くのユーザーにリーチできるうえ、少額からの利用も可能です。誘導ボタンを設置し、外部サイトへのリンクやアプリのインストールを促すこともできます。
効果的な広告運用を行うための工夫も重要です。例えば、広告とアンケートの併用、インフルエンサーとのコラボレーションなどさまざまな手法が考えられます。自社の商品・サービスにマッチした施策の検討をおすすめします。
【Instagram運用⑥】効果測定と改善を繰り返す
Instagramの運用や施策の効果を確認するには、継続的に数値をチェックして効果測定を行い、分析、課題の抽出をしていきます。地道な作業にはなりますが、目的達成を叶えるアカウントに育てるためには必要な業務です。
ここからは、効果測定のコツや効果測定を効率的に行うためのツールを紹介します。
数値チェックは定期的に行う
KPIに設定した指標は定期的にチェックすることが重要となります。なぜなら、データの推移を観察することで変化の要因を特定・分析できるからです。
例えば、キャンペーンを実施した際にデータの推移を確認することで、次回のキャンペーン施策に活かすことができます。
なお、アカウントの開設時はフォロワーが増えやすいといわれます。なぜなら、もともと自社商品を知っている関心の高いユーザーが反応しているからです。開設から一定期間経つとフォロワーの増加は落ち着いてきますが、運用の方向性が間違っているわけではありません。継続的に投稿を続け、長期的な目線でフォロワーを獲得していくことが大切です。
データの収集・管理・分析を適切に行う
効果測定を行うためには、データの収集や管理、分析を的確に行う必要があります。
「Instagramインサイト」という公式機能でもデータの収集や分析は可能です。しかし、手作業で行う部分が多く、企業アカウントの運用には心もとなく感じます。
企業でのInstagram運用には、さまざまな作業を効率化できる専用の管理ツールがおすすめです。管理ツールの場合、全体のエンゲージメントだけでなく、曜日や時間帯など条件別のデータも確認できます。また、インサイトと異なりデータ表示上限などもない場合が多いので、長期的な数値の観察が必要なInstagram運用には効果的なツールといえるでしょう。
Instagram運用の効率化・自動化は「Meltwater」
Instagramの運用ツールにはさまざまな種類がありますが、弊社Meltwaterが提供するソーシャルリスニングツールは、Instagramだけでなく、その他のSNS運用にも活用可能です。
あらゆるSNS上でユーザーの感情分析、自社ブランドのヘルスチェック、競合アカウントのリサーチを行うことができ、より詳細なユーザーニーズの理解につながります。
また、複数SNSの一元管理も可能です。予約投稿はもちろん、DMやリプライの対応を一括管理でき業務効率化を図れます。
さらにレポーティング機能を活用すれば、ワンクリックでプレゼン資料を作成できるため、担当者さまの負担軽減にも貢献します。
Instagram運用は各項目を最適化すれば成果につながる
Instagramを運用し成果を上げるために重要なのは、Instagramのアルゴリズムを理解し、課題となるポイントを最適化していくことです。
そのためには、自社・競合アカウントの情報収集・分析を徹底的に行う必要があります。
なお弊社のノウハウが詰まったeBookでは、より詳細にInstagramマーケティングについて解説しています。マーケティングにおけるInstagramの重要性や事例、コンテンツ作成のコツについても言及しているので、ぜひご覧くださいませ。