「マイクロインフルエンサーって何?」
「マイクロインフルエンサーの探し方を知りたい」
この記事は上記のような思いを持たれている方に向けて、マイクロインフルエンサーの定義や特徴を解説した上で、具体的な探し方や採用事例などを紹介していきます。
マイクロインフルエンサーの活用における注意点やポイントについても解説していますので、是非最後までお読みください。
マイクロインフルエンサーとは?
マイクロインフルエンサーの6つの特徴
マイクロインフルエンサーの探し方
マイクロインフルエンサーを起用した成功事例
マイクロインフルエンサーの起用で注意すべき4つのポイント
マイクロインフルエンサーを上手に活用するポイント
まとめ
マイクロインフルエンサーとは?
まずはマイクロインフルエンサーとは何かについて確認していきます。
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そもそもインフルエンサーとは
インフルエンサーとは影響を意味する「influence」という英語に由来し、世間に対して大きな影響力を持つ人のことです。
一昔前までは世間や消費者に対して影響力を持つのは、知名度のある芸能人やスポーツ選手、モデルなどに限られていました。
しかしInstagramなどのSNSの登場により、現在では一般人の中から芸能人やスポーツ選手に比肩するほどの影響力を持つ人物も現れ、インフルエンサーとして活動しています。
マイクロインフルエンサーの定義
インフルエンサーはフォロワーの数によって以下の4種類に分かれます。
フォロワーが1万~10万人程度のインフルエンサーがマイクロインフルエンサーと呼ばれています。
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マイクロインフルエンサーの6つの特徴
ここからはマイクロインフルエンサーの特徴を具体的にご紹介していきます。
1. 特定ターゲットに絞った施策と相性が良い
マイクロインフルエンサーは、インフルエンサーの中でも比較的フォロワーの規模が小さく、1万~10万人程度となっています。
そのためマス的なプロモーションではなく、特定ターゲットに絞ったマーケティング施策との相性が良いと言えるでしょう。
マイクロインフルエンサーの抱えているフォロワーの属性に適した商品・サービスのPRを行えば、訴求力も高まり、多くの反響を獲得できます。
2. 専門分野における独自のユーザーコミュニティを持つ
マイクロインフルエンサーは、それぞれ独自の専門分野を確立しています。
美容やファッション、グルメといった特定分野を持って投稿活動を実施しており、その分野において好感や共感を抱いたユーザーコミュニティも形成しています。
そのため自社の商品やサービスに適したマイクロインフルエンサーを起用すれば、そのコミュニティに所属するユーザーに対して、効果的に訴求していくことができるでしょう。
3. ユーザーとの距離が近く、エンゲージメント率も高い
マイクロインフルエンサーは先述した通り、メガインフルエンサーやパワーインフルエンサーと比較して、フォロワーの数が少ないです。
その分ユーザーとの距離も近く、コメントなどのリアクションに対して反応が行き届くインフルエンサーも多いと言えます。
そのため総じてエンゲージメント率(投稿に反応したユーザーの割合)が高く、マイクロインフルエンサーを上手く起用することでユーザーに対して確実にPRすることができるでしょう。
4. コストパフォーマンスが高い
メガインフルエンサーやパワーインフルエンサーはフォロワーの規模も大きく、リーチできる人数こそ多いですが、起用するには費用も掛かります。
マイクロインフルエンサーは規模がさほど大きくない分ユーザーとの距離が近く、コアなファンにリーチしてエンゲージメント率を高めることができます。比較的安く起用できることからも、マイクロインフルエンサーはコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
5. 母数が多く、起用しやすい
メガインフルエンサーやパワーインフルエンサーといった、数十万以上のフォロワーを誇るインフルエンサーは、相対的に人数が少なくなります。
その点マイクロインフルエンサーはナノインフルエンサーに次いで人数が多く、候補となるインフルエンサーも多いです。
そのためメガインフルエンサーやパワーインフルエンサーよりも起用しやすく、マーケティング施策をしたいと思ってから時間をかけずに実行できます。
6. 案件に慣れており、円滑に施策実施が可能
先の特徴で挙げたようにマイクロインフルエンサーは比較的多く、コストパフォーマンスも高いため、マーケティング施策に起用する企業は多いです。
そのため、案件に慣れているインフルエンサーも多く存在します。インフルエンサー側からこれまでの経験に基づく意見を出してもらうこともでき、効果的な施策が可能となるでしょう。
マイクロインフルエンサーの探し方
続いてマイクロインフルエンサーの探し方について解説していきます。
探す前の事前準備
まずは事前にやるべき準備について確認しておきましょう。
事前準備①:目的を決める
事前準備として一つ目に必要になる作業は、目的を決めるということです。
マーケティング施策の目的は、大別すると以下の3つになります。
- 目的①:認知の獲得
- 目的②:企業ブランドや商品・サービスへの理解促進
- 目的③:購買などの具体的なアクションの促進
例えば認知獲得を目的とした場合、多少費用を掛けてでもフォロワー数の多いメガインフルエンサーやパワーインフルエンサーを起用すべきです。
しかし理解やアクションの促進を目的とした場合は、フォロワー数は少なくても、エンゲージメント率の高いマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーを起用した方が良いでしょう。
事前準備②:ターゲットを決める
次に訴求したいターゲットを具体的に決めていきます。
マイクロインフルエンサーはある分野に特化して活動していることが多いですが、同じ分野のインフルエンサーでも、フォロワーの年齢層や性別などの属性は異なります。
そのためマイクロインフルエンサーを選定する上で、どういった顧客に訴求したいのかを具体的に決めていかなければなりません。
顧客ターゲットを具体化するには、性別や年齢といった基本的な情報を明確にすることは勿論のこと、どういったニーズを持っているかなども考えておくと良いでしょう。
具体的な3つの探し方
それでは具体的な探し方として、3つの方法をご紹介していきます。
探し方①:SNSによる検索
一つ目にご紹介する探し方はSNSによる検索です。
SNSを実際に用いて、自社の商品やサービスに関連したキーワードやハッシュタグ(例えば#pr)を用いて検索を掛けることで、適切なインフルエンサーを見つけ出します。
【SNSによる検索のメリット】
メリット①:費用を掛けず実施できる
SNSによる検索は、新たにツールを用いたり、代理店を活用したりする必要もないため、特に費用を掛けずに実施できることがメリットです。
メリット②:ターゲットとのミスマッチを防止できる
自社で一人ひとり候補者を選定していくので、訴求したいターゲット層を抱えているインフルエンサーを的確に見つけ出すことができ、ミスマッチを防止できます。
【SNSによる検索のデメリット】
デメリット:母数が多いため、選定の時間が掛かる
マイクロインフルエンサーはメガインフルエンサーやパワーインフルエンサーよりも人数が多く、その分候補となる人数も多くなるため、選定に時間が掛かります。
探し方②:代理店への依頼
続いてご紹介するのは代理店へ依頼して探すという方法です。
インフルエンサーマーケティングやキャスティングの事業を展開している企業に、マイクロインフルエンサーの選定を代行してもらう形になります。
【代理店へ依頼するメリット】
メリット①:選定に掛かる工数が削減できる
代理店へ依頼した場合、選定に掛かる工数が削減でき、その他の業務にリソースを割けるため、効率的にマイクロインフルエンサーを選定できます。
メリット②:選定以外のサポートも受けることができる
また選定以外にも、どういった投稿にすべきかという企画や施策実施時のサポートも受けることができるため、効果的な運用が実現できるでしょう。
【代理店へ依頼するデメリット】
デメリット①:仲介費用が発生する
代理店へ選定を依頼した場合、当然ながら仲介費用が発生するため、インフルエンサー起用に掛かる費用に加えてコストが生じる点はデメリットと言えます。
デメリット②:ミスマッチのリスクがある
インフルエンサーに精通したプロが選定するとはいえ、目的やターゲットを明確にして伝えないと、ミスマッチのリスクが生じます。
探し方③:ツールを利用する
インフルエンサーマーケティング事業を展開する企業の中には、選定のサポートではなく、選定のツールを提供しているところもあります。
ツール内で検索をかけ、自身でマイクロインフルエンサーを選定する方法です。
【ツールを利用するメリット】
メリット①:ビッグデータを利用した分析が可能
インフルエンサーマーケティングツールには、ビッグデータを利用した分析機能が付いているため、キーワードを入力するだけで自社と相性の良いマイクロインフルエンサーを抽出することが可能です。マイクロインフルエンサー起用後の、効果測定にも便利です。
メリット②:連絡などもツール上で実施できる
マイクロインフルエンサーと直接連絡がとれるツールもあるため、選定から日頃のメッセージのやり取りまで同じツールで一貫して行うことができます。
【ツールを利用するデメリット】
・デメリット①:利用料金が掛かる
インフルエンサーマーケティングツールを利用するには、月額料金が掛かるケースが多く、インフルエンサーへの報酬に加えて予算を準備しておく必要があります。
・デメリット②:選定自体の工数が掛かる
代理店の利用とは異なり、選定自体は自社で対応することになるため、選定のための工数や時間が掛かってくる点は留意しておきましょう。
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マイクロインフルエンサーを起用した成功事例
マイクロインフルエンサーの探し方を押さえたところで、成功事例について確認していきましょう。
事例1. 美容・雑貨系
一つ目は美容機器や雑貨を提供する「株式会社グローバルジャパン GLOBAL JAPAN」が、merimeru0525さんを起用したプロモーション事例です。
merimeru0525さんは約5.3万人のフォロワーを誇るマイクロインフルエンサーで、美容雑貨やグルメなどを紹介する投稿をしています。
本投稿は「ティーンエイジャーへ訴求し、購買を促す」という意図が明確になっている好事例と言えます。
事例2. ファッション系
続いてご紹介するのは、湘南でbeach bohemianをコンセプトとした洋服と雑貨を提供する「TEANNA」が、yoshi382090sさんを起用したプロモーションの事例です。
yoshi382090sさんは古着や日常のコーデなどを中心に投稿している、ファッション系のマイクロインフルエンサーです。約2.8万人のフォロワーを持っています。
商品ブランドの雰囲気にあったマイクロインフルエンサーを起用するという、インフルエンサーを用いた代表的なプロモーションと言える事例です。
事例3. グルメ系
続いて紹介するのは大阪にある「クリームキッチン 新世界店」による、harapekosistersさんを起用したプロモーション事例です。
マイクロインフルエンサー事例③:harapekosisters
harapekosistersさんは大阪や京都、兵庫エリアを中心に、グルメを紹介する投稿を実施しているマイクロインフルエンサーです。フォロワーは約1万人となっています。
近畿エリアのユーザーをターゲットとして、活動エリアに親和性のあったマイクロインフルエンサーを起用した好事例と言えるでしょう。
事例4. 旅行・観光系
事例の最後にご紹介するのは和歌山のリゾートホテル「Wakanoura Nature Resort EPICHARIS」が、satomin_japanさんを起用したプロモーションです。
satomin_japanさんは観光やご当地のグルメなどを紹介するマイクロインフルエンサーとして活動しており、フォロワーは約1.6万人となっています。
ホテル側の「エーゲ海風リゾートホテル」というコンセプト通り、しっかりとそのポイントを訴求できる画像やコメントも入っており、顧客獲得だけでなくブランディングにも繋げられる事例と言えます。
マイクロインフルエンサーの起用で注意すべき4つのポイント
次にマイクロインフルエンサーの起用で注意すべきポイントを4つご紹介します。
1. 自社に適したマイクロインフルエンサーを見つける
一つ目のポイントは、自社の分野やイメージに適したマイクロインフルエンサーを見つけるという点です。
マイクロインフルエンサーにはそれぞれ専門分野があり、その分野に興味を持つユーザーに対して大きな影響力を持っています。
そのため自社のブランドや商品・サービスに適した分野に強みを持つマイクロインフルエンサーを起用すれば、マーケティングに効果的です。
2. フォロワーがアクティブユーザーかどうかを確認する
またフォロワーがアクティブユーザー(一定期間のうち対象となるSNSを1回以上利用したユーザー)であるかどうか確認することも重要なポイントとなります。
自社に適したマイクロインフルエンサーを無事起用できたとしても、フォロワーの大半がアクティブユーザーでなければ、マーケティング上の効果を得ることは難しいです。
候補となるマイクロインフルエンサーを絞ったタイミングで、フォロワーがアクティブユーザーであるかどうか確認しましょう。
3. ステルスマーケティング(ステマ)に注意する
ステルスマーケティングに注意することもポイントです。
ステルスマーケティングとは、内容が宣伝であると消費者側に気付かれないように行うプロモーションのことを指します。2023年3月に禁止行為として公表され、2023年10月から実際に規制されます。
ステルスマーケティングであると発覚した場合、炎上やブランド毀損に繋がってしまうかもしれません。マイクロインフルエンサーを起用したプロモーションを実施する場合、宣伝であることがわかるように「PR」「広告」「〇〇とのタイアップ投稿」などを表示しておきましょう。
4. 同時に多数のインフルエンサーを起用しない
同時に多数のインフルエンサーを起用しない点も押さえておきたいところです。
インフルエンサーを同時に多数起用してしまうと、マネジメントやディレクションが複雑になるため、意思疎通が十分でなかったりステルスマーケティングになったりするなどのリスクも生じます。
コストパフォーマンスを維持するためにも、特に慣れないうちは同時に数多くのインフルエンサーは起用しないようにしましょう。
マイクロインフルエンサーを上手に活用するポイント
最後にマイクロインフルエンサーを上手に活用するポイントについて確認しておきます。
1. インフルエンサーを信頼して自由度を持たせる
一つ目の心掛けるポイントはマイクロインフルエンサーを信頼して、ある程度の自由度を持たせることです。
インフルエンサーとして活動してきた人達は、それぞれ独自の表現の仕方を確立しています。
フォロワーからのエンゲージメント率を高めるためにも、起用するマイクロインフルエンサーの色を積極的に活かしていきましょう。
2. 投稿時のルールは明確にしておく
とはいえ完全に任せてしまうと、不適切な発言やステルスマーケティングのリスクも生じるため、投稿時のルールは明確にしておくことも重要です。
ブランドルール(ブランドの価値を守るための推奨規定・禁止規定)やSNS運用上のガイドラインをベースとしつつ、インフルエンサー起用時のルールも策定しておきましょう。
そのルールの中でマイクロインフルエンサーに自由に表現してもらうことが、最も良い形と言えます。
3. ブランドパートナーとして誠実に対応する
マイクロインフルエンサーをただ単なる媒体として扱えば、インフルエンサーからの信頼も得られず、プロモーションにも熱は入りません。
ブランドパートナーとして対等な関係を築くことで、初めてマイクロインフルエンサーのモチベーションが高まり、プロモーションにも説得力が増します。
エンゲージメントや購買といった成果に繋がるため、誠実な対応を心掛けるようにしましょう。
まとめ
今回はマイクロインフルエンサーをテーマにお話してきましたが、いかがでしたか。
現在の消費者は広告や宣伝に対してネガティブな印象を抱きがちですが、友人や尊敬している人物、好きな芸能人からの口コミやおすすめは受け入れやすいという心理を持っています。
そのためBtoC(消費者対象のビジネス)領域では、マイクロインフルエンサーを起用したプロモーションが積極的に活用され始めています。
広範囲ではなくても、ターゲットをしぼりこんでプロモーションしたい場合に効果的です。
是非この記事を参考にして、マイクロインフルエンサー活用をご検討ください。
インフルエンサーマーケティングの課題はMeltwaterへご相談。 ブランドに最適なパートナーの発掘と長期的な関係構築、業務の効率化をサポートします。
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この記事の監修者:
馬見塚 堅 (Meltwater Japanエンタープライズソリューションディレクター)
2016年にMeltwater Japan株式会社入社。
外部データ活用に向けてマーケティング・企画・広報部向けのコンサルティングを7年で200社以上を担当。 現在は、大手企業や官公庁向けのソリューション企画に従事。インフルエンサーマーケティングや消費者インサイトに関するセミナー実績多数。
趣味:旅行、子育て情報収集、仮想通貨、サッカー観戦(川崎フロンターレの大ファンです)