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セールスとマーケティングの違いとは?

セールスとマーケティングの違いとは?連携が成果最大化のカギ


宮崎桃

Mar 13, 2025

「セールスとマーケティングの連携がうまくいかず、売上や受注率が伸び悩んでいる」こんな悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか。実は、両部門では考え方や役割に大きな違いがあり、それが連携の壁となっているケースが少なくありません。

本記事では、セールス(営業)とマーケティングの違いを明確にしたうえで、部門間の連携を成功させるポイントを詳しく解説します。MAツールやセールスインテリジェンスなど、デジタルツールの活用方法も紹介するので、ぜひお役立てください。

セールスマーケティングとは

セールスとマーケティングの違い

セールスマーケティングとは、セールス(営業)とマーケティングを組み合わせて売上を最大化する手法です。従来の「とにかく売る」営業とは異なり、顧客のニーズを把握し、最適なタイミングで適切な提案を行うものとなっています。

例えば、マーケティング部門が集めた市場動向や顧客データを、セールス部門の商談で活用するといった具合です。セールスとマーケティングが連携することで、より多くの成果を生み出せるようになります。

セールスとマーケティングの違いは?

セールスとマーケティングは、同じ「売る」という目標を持ちながらも、アプローチ方法や視点に大きな違いがあります。それぞれの役割と特徴を詳しく見ていきましょう。

セールスの役割

セールスの役割は、商品やサービスを顧客に販売して売上を作ることです。営業担当者は、個々の顧客のニーズに合わせて商品を提案し、成約に結びつけます。

そのために、提案資料の作成や商談などを通じて、顧客一人ひとりとの関係を丁寧に築いていきます。セールスは個別の顧客との信頼関係を築きながら、売上目標の達成を目指すのです。

マーケティングの役割

マーケティングの役割は、商品やサービスが売れる環境を整えることです。市場調査を通じてニーズを分析し、商品開発から価格設定、販売戦略にまで幅広く関与するのが特徴です。

例えば、ターゲット層に向けた広告配信や、展示会の企画運営などを行います。より多くの見込み顧客を集めるため、市場全体を見据えた長期的な視点が必要になります。

セールスとマーケティングの違い

以下の表は、セールスとマーケティングの主な違いをまとめたものです。

セールス マーケティング
視点 顧客中心 市場全体
期間 短期的 長期的
目的 商品・サービスの販売 売れる仕組みづくり
活動時期 商品完成後 企画段階から

セールスは個々の顧客との直接的な取引に注力し、マーケティングは市場全体に向けた戦略立案を担当します。両者の連携が、売上アップにつながります。

セールスマーケティングの手法3つ

セールスマーケティングの手法

マーケティング戦略に基づいて実践するセールスマーケティングの代表的な手法は以下の3つです。

  • ダイレクトマーケティング
  • Webマーケティング
  • ウェビナー

それぞれの特徴と活用方法について、具体的に解説します。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、顧客に直接アプローチして商品やサービスを提案する手法です。チラシの配布やDMの送付、店頭での販促活動などが代表的な例です。

店頭では顧客との直接対話を通じて生の声を集められるため、商品開発のヒントを得られます。また、DMは特定の顧客層に向けて商品情報を直接届けることができるため、見込み客の開拓に役立ちます。

Webマーケティング

Webマーケティングは、インターネットを活用して見込み顧客を獲得する手法です。自社サイトやSNSを通じて情報を発信し、商品やサービスに関心を持つ層を見つけ出していきます。

例えば、ブログで情報を発信し、資料請求者にメールでアプローチする方法などが良い例です。データに基づいて施策を改善できる点が特徴です。

ウェビナー

ウェビナーは、商品説明会や業界セミナーをオンラインで開催し、潜在顧客や見込み顧客にアプローチする手法です。ライブ配信を通じて参加者と双方向のコミュニケーションを図り、関係構築を進めていきます。

時間や場所の制約なく多くの顧客にアプローチでき、質疑応答を通じて具体的な課題を把握できるのが特徴です。

セールスとマーケティングの連携の重要性

セールスとマーケティングの連携

セールスとマーケティングが連携すれば、以下の4つのメリットが生まれます。

  • 業務効率・購買率の向上
  • 機会損失の防止
  • 見込み客の確実な獲得
  • 潜在ニーズの見極め

それぞれの具体的な内容を詳しく見ていきましょう。

業務効率・購買率の向上

マーケティング部門が持つ市場データと、セールス部門が持つ顧客の生の声を共有することで、業務の質が向上します。例えば、セールス部門からの現場の声を商品開発に活かして、顧客ニーズに合った提案ができるようになります。

あるいは、マーケティング部門が分析した顧客情報を基に、セールス部門は優先度の高い顧客を絞り込んでそこにアプローチすることも可能です。

機会損失の防止

マーケティング部門からセールス部門への顧客情報の引き継ぎが遅れると、商談の機会を逃してしまう可能性があります。例えば、顧客の購買意欲が低下したり、顧客が競合他社と契約を結んでしまったりするケースがあるのです。

両部門が密に情報共有することで、適切なタイミングでの提案が可能になり、このような機会損失を防げます。


見込み客の確実な獲得

マーケティング部門が集めた顧客情報をセールス部門と共有することで、商談の成約率が高まります。例えば、資料請求時の質問内容や商品への関心度を把握していれば、顧客の状況に合わせた提案が可能です。両部門で説明や対応を統一することで、顧客からの信頼を獲得しやすくなります。

潜在ニーズの見極め

顧客が自覚していない課題やニーズを発見することで、新たなビジネスチャンスが生まれます。例えば、マーケティング部門の市場分析とセールス部門の商談内容を照らし合わせれば、業界特有の課題が見えてくるでしょう。両部門の視点を組み合わせることで、顧客の本質的な課題解決の提案が可能になります。

▶︎あわせて読みたい:潜在ニーズとは?見つけ方や重要ポイントを解説


セールスとマーケティングの連携ポイント

セールスとマーケティングの連携は、顧客の購買プロセスに沿って段階的に進めていきます。

  1. トップファネル(認知・関心):

マーケティング部門が主導し、ブランド認知に向けた戦略を実施します。

  1. ミドルファネル(検討):

両部門が連携します。マーケティング部門はセールスのために見込み顧客の情報を提供し、セールスは顧客の関心にあった情報、アクションプランの準備を開始します。

  1. ボトムファネル(購入):

セールス部門が主導します。セールス担当者が顧客の懸念点の解決、関係構築を行い購入に至るまでのプロセスをサポート、完了させます。


このように、両部門が購買プロセスの各段階で適切に連携することで、顧客の状況に合わせた提案が可能になり、成約率の向上につながります。


セールスとマーケティングの連携が難しい理由

セールスとマーケティングの連携が難しい理由

セールスとマーケティングの部門間連携を難しくしている要因としては、大きく以下の2つがあります。

  • 考え方・視点が異なる
  • 役割やスキルが異なる

それぞれ詳しく解説します

考え方・視点が異なる

セールスとマーケティングでは、「売る」という目標は同じでも、アプローチ方法が異なります。セールス部門は個別の顧客に向き合い、短期的な成果を求められるため、即時の成約が見込めないリードには消極的です。

一方、マーケティング部門は市場全体を見据え、長期的な視点で見込み客を育成します。このように、時間軸と成果に対する考え方の違いが、部門間の摩擦を生む原因となっているのです。

役割やスキルが異なる

両部門に求められる役割とスキルの違いも、連携を難しくする要因です。セールス部門は顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、提案から成約までを担当します。

一方、マーケティング部門ではデータ分析や戦略立案が主な業務となります。この業務内容の違いから、お互いの仕事の価値を理解できず、協力関係を築きにくい状況が生まれているのです。

セールスマーケティング成功のポイント4つ

セールスマーケティング成功のポイント

セールスマーケティングを成功させるためには、以下の4つポイントを押さえておきましょう。

  • 部門間の効果的なコミュニケーション
  • ペルソナの共有
  • 部門間でのKPIと目的の共有
  • セールステックの活用

それぞれ実践で使えるように分かりやすく解説します。

部門間の効果的なコミュニケーション

部門間の連携を深めるには、日常的な情報共有の仕組みを整えることが大切です。例えば、週1回の定例ミーティングで、マーケティング部門は市場動向や見込み客の傾向を報告し、セールス部門は商談での顧客の反応を共有します。

また、商談の成功事例や失敗事例を分析する勉強会を開催すれば、互いの業務への理解が深まるでしょう。両部門の担当者が参加する商品開発プロジェクトを立ち上げれば、市場ニーズに合った提案が可能になり、連携も深まります。


ペルソナの共有

顧客像を具体的に描くペルソナ分析は、部門間で共通認識を持つために欠かせない取り組みです。予算規模や導入目的、決裁権限などの項目ごとに顧客像を設定し、カスタマージャーニーに沿って各段階での課題を整理しましょう。

作成した顧客プロフィールを基に、マーケティング部門は広告やコンテンツを制作し、セールス部門は商談での提案内容を組み立てていきます。

その後、実際の商談から得た情報を定期的にペルソナに反映していけば、より精度の高い顧客アプローチが可能となります。


部門間でのKPIと目的の共有

部門ごとの評価指標ではなく、共通のKPIを設定することが成功へのカギです。例えば、マーケティング部門は「見込み顧客数」だけでなく「商談成約率」も重視し、セールス部門は「成約件数」に加えて「資料請求から商談までの転換率」も評価項目に含めます。

また、四半期ごとに目標設定会議を開催し、両部門の進捗状況や課題を確認します。互いの目標を理解し合い、定期的な振り返りを行うことが、組織全体の業績アップにつながるのです。


セールステックの活用

営業活動をデジタル化する「セールステック」は、部門間の情報共有を円滑にする重要なツールです。例えば、MA(マーケティングオートメーション)ツールで見込み顧客の関心度を数値化し、CRM(顧客管理システム)で商談の進捗状況を共有します。
SFA(営業支援システム)で日々の商談記録を蓄積すれば、マーケティング部門は新たな施策を立案できます。このようにデジタルツールを活用することで、見込み顧客の選定から成約までのプロセスが可視化され、部門間の連携が強化されるのです。

以下で、セールスとマーケティングの連携を支援するセールステックツールを5つ紹介します。

MA(マーケティングオートメーション)

MAは、見込み顧客の育成から商談創出までを一元管理できるツールです。Webサイトでの閲覧履歴やメール開封率などのデータを分析し、顧客の興味関心度を数値化します。

また、顧客の行動に応じて自動でメール配信や営業担当者への通知を行うため、商談機会を逃しません。

eメール管理ツール

eメール管理ツールは、顧客とのメールコミュニケーションを一括管理し、適切なフォローを実現するツールです。メールの開封率や返信率を分析し、配信タイミングの最適化を可能にします。
また、顧客の属性や過去のやり取りに応じて、テンプレートを使い分けることで業務効率化を図れます。セールスとマーケティングで顧客の反応を共有できるため、連携した対応が可能になるのです。


CRM(顧客管理システム)

CRMは顧客情報や商談履歴を一元管理し、部門を超えた情報共有を実現するシステムです。顧客の基本情報だけでなく、問い合わせ内容や提案状況、成約確度なども記録できます。
これにより、マーケティングは見込み顧客の育成状況を把握でき、セールスは顧客ニーズに合わせた提案が可能になります。

PRM

PRMは取引先やパートナー企業との関係を管理するツールです。商品情報や販促資料の共有、案件の進捗管理などをオンラインで一括管理できます。
パートナー企業の販売実績や顧客フィードバックも記録できるため、市場の動向を把握しやすくなるのがメリットです。このように、PRMは間接販売チャネルを含めた営業活動の可視化を実現します。


セールスインテリジェンス

セールスインテリジェンスは、膨大なデータをAIで分析し、営業活動の意思決定に活用するツールです。見込み顧客の行動履歴やSNSの投稿に対する反応、業界ニュースなどから、潜在的な商談機会や最適なアプローチ方法を導き出します。競合分析や市場トレンドの把握により、より的確な提案が可能になります。

Meltwaterが提供するセールスインテリジェンスは、サントリーや日本テレビ、リコーなど国内大手企業に導入され、データに基づく戦略的な営業活動を支援しています。

▶︎Meltwaterの導入事例はこちら:Meltwaterのお客さま事例

▶︎お問い合わせはこちら:Meltwaterのセールスインテリジェンス

まとめ|セールスマーケティングで営業成果を最大化しよう

セールスとマーケティングの連携は、企業の売上を最大化するために欠かせません。両部門の連携を成功させるポイントは、顧客情報を共有する仕組みづくりと、共通のKPI設定です。例えば、定例ミーティングでの情報共有や、ペルソナ分析による顧客像の共有が有効です。
MAツールやセールスインテリジェンスなどのセールステックを活用すれば、見込み顧客の育成から成約までのプロセスを可視化したり、市場の動向を把握したりできます。それぞれの部門の強みを活かし、顧客視点に立った提案を行うことで、より大きな成果を生み出せるのです。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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