TikTokとは、中国のByteDance社が運用するショート動画プラットフォームであり、2021年時点で公表された情報によると、世界では月間10億人が利用しています。
国内ユーザーは10~20代を中心に月間1,700万人に上り、TikTokをマーケティングやビジネスに活用する企業も増えてきています。
本記事ではTikTokで予約投稿をする方法や、閲覧数増加のためにおすすめの投稿時間について解説します。
TikTokで予約投稿はできる?
TikTokブラウザ版とは
TikTokのビジネスアカウントとは
TikTokで予約投稿をする方法
TikTokでおすすめの投稿時間は?
TikTokの予約投稿機能を活用しよう
TikTokで予約投稿はできる?
TikTokで予約投稿は可能です。ただし、スマホアプリ版ではできません。
TikTokで予約投稿するには、PCでTikTokブラウザ版を利用し、かつ、通常アカウントでなくビジネスアカウントに切り替える必要があります。
TikTokブラウザ版でできること・できないことや、ビジネスアカウントでできることについて、以下で解説します。
TikTokブラウザ版とは
TikTokはスマホアプリだけでなく、PCのブラウザ上で使うことが可能です。
ブラウザ版とスマホアプリ版では使える機能が異なり、スマホアプリ版でできないことがブラウザ版ではできたり、逆に、スマホアプリ版でできることがブラウザ版ではできなかったりします。具体的には、以下で解説します。
TikTokブラウザ版でできること
TikTokブラウザ版では「動画の投稿、閲覧」「通知の確認」「インサイトデータのダウンロード」が行えます。
それぞれについて、以下で解説します。
動画の投稿、閲覧
TikTokブラウザ版では、スマホアプリ版と同様に動画を投稿することができます。また、投稿する際に動画サムネイルやキャプション、ハッシュタグを設定することも可能です。さらに、他の人が投稿した動画を閲覧や、コメント・「いいね」もできます。くわえて、キーワード検索やハッシュタグ検索、特定ユーザー検索の機能もあるので、関心のある内容の動画を探すことも可能です。
通知の確認
TikTokブラウザ版では、スマホアプリ版と同様に、自分のアカウントに送られたコメントや「いいね」、フォローなどの通知を確認することができます。また、TikTokブラウザ版ではコメントへの返信もできるので、スマホのタップ入力よりもキーボード入力のほうが得意な人や多数のコメントに返信したい人にとっては便利な機能といえるでしょう。
インサイトデータのダウンロード
TikTokブラウザ版でしかできない機能として、インサイトデータのダウンロードがあります。インサイトデータとは、動画の合計再生回数や「いいね」された数など、自分の投稿へのアクセスデータです。
スマホアプリ版TikTokでもインサイトデータの閲覧は可能ですが、端末へのダウンロードはできません。TikTokブラウザ版ではインサイトデータをXLSX形式やCSV形式でダウンロードできるため、TikTokをマーケティングで利用する際に役立ちます。
TikTokブラウザ版ではできないこと
TikTokブラウザ版では「動画の編集」「デュエット動画の投稿」はできません。それぞれについて、以下で解説します。
動画の編集
動画の編集はTikTokのスマホアプリ版ではできるけど、TikTokブラウザ版ではできない機能です。
TikTokのスマホアプリ版ではエフェクトやテキスト、楽曲ライブラリ(商用利用不可)などのTikTok素材を利用したり、動画の不要部分をカットしたりといった編集ができます。TikTokブラウザ版ではそれができません。
ただし、PCで使える動画編集ソフトなどを別途利用して動画を編集してからTikTokブラウザ版で投稿することは可能です。
デュエット動画の投稿
こちらも、TikTokのスマホアプリ版ではできるのに、TikTokブラウザ版では使えない機能です。
デュエット動画とは、TikTokに既に投稿されている動画を利用してコラボしたような動画に編集したものをいいます。友達や有名人などとコラボして楽しみたい方はTikTokスマホアプリ版を利用するしかありません。
ただし、TikTokブラウザ版で投稿された動画を、TikTokスマホアプリ版でデュエット動画に利用することは可能です。
TikTokのビジネスアカウントとは
TikTokには一般アカウントの他、無料で利用できるビジネスアカウントがあります。
TikTokビジネスアカウントを利用している主要ブランド数は、2020年5月時点で1,000以上です。ビジネスアカウントに切り替えると、マーケティングに活用できる機能が増えます。
投稿ごとの分析ができる
TikTokビジネスアカウントに切り替えると、投稿した動画ごとにアクセスデータの分析ができるようになります。
具体的には、合計視聴回数・合計再生時間・平均視聴時間・トラフィックソースの種類・視聴者のエリア(国)といったアクセスデータを投稿ごとに分析が可能です。これらはTikTokをマーケティングで活用する際に欠かせない機能といえます。
インサイト分析ができる
TikTokビジネスアカウントではインサイト分析も可能です。
「インサイト」の項目は「概要」「コンテンツ」「フォロワー数」に分かれています。
「概要」では過去7日間・28日間に動画が視聴された回数、フォロワー数の増減、プロフィールが表示された回数の確認が可能です。「コンテンツ」では過去7日間の投稿動画の投稿回数や人気上昇中の動画を確認できます。「フォロワー数」ではフォロワーの属性の確認が可能です(フォロワー数100人以上が条件)。
「インサイト」によって、フォロワーの反応や属性を把握しやすくなるため、こちらもTikTokマーケティングに欠かせない機能です。
プロフィールに情報を追加できる
TikTokビジネスアカウントに切り替えることによって、プロフィールに公式Webサイトへのリンクやメールアドレスなど、ビジネスに活用できる情報を追加掲載できるようになります。TikTokを企業の認知度向上やブランディング、ユーザーとの接点作りなどに活用したい場合に効果を期待できる機能といえるでしょう。
商用楽曲ライブラリーを利用できる
TikTokビジネスアカウントに切り替えると、限定の商用楽曲ライブラリーを利用できるようになります。
動画に使用しても著作権を侵害しない音楽だけが入っているため、安心して利用可能です。
一般アカウントでも利用できる楽曲ライブラリーはありますが、そちらは商用利用が許可されていません。逆に、TikTokビジネスアカウントでは一般の楽曲ライブラリーは使用できない仕組みになっています。
TikTokで予約投稿をする方法
TikTokで予約投稿をするためには、ビジネスアカウントに切り替えてTikTokブラウザ版を利用する必要があります。ここでは、TikTokで予約投稿する4つの手順を写真付きで紹介します。
ビジネスアカウントに切り替える
初めてビジネスアカウントを利用する場合、最初にTikTokスマホアプリ版で設定する必要があります。
TikTokのスマホアプリ版を起動し、「マイページ」(iPhoneでは「プロフィール」)上メニューの右端の三本線をタップしてください。
次の画面で「アカウント管理」をタップし、画面下にポップアップで出てくるメニューから、「設定とプライバシー」をタップします。
「アカウント管理」をタップします。
「ビジネスアカウントに切り替える」をタップします。
「次へ」をタップします。
自分のアカウントに適したカテゴリーを選択し、「次へ」をタップします。
これでビジネスアカウントの設定が完了し、プロフィールを編集できるようになりました(スキップ可能)。プロフィールを編集すると、アカウントに適したコンテンツやイベント、カテゴリーなどが利用可能になります。
プロフィール画面上部メニューの右端にある三本線をタップすると、ポップアップメニューの中に「ビジネススイート」が表示されます。これでビジネスアカウントに切り替わっていることを確認できます。
「ビジネススイート」をタップすると、上で説明した「インサイト分析」など、ビジネスアカウント独自のページ一覧が表示されます。
ビジネススイートへはPCブラウザでもこちらからアクセス可能です。
TikTokブラウザ版にアクセスする
TikTokスマホアプリ版でビジネスアカウントに切り替わったことを確認できたら、PCでTikTokブラウザ版にアクセスします。
アップロードボタンをクリックする
画面上部のメニューにある「+アップロード」をクリックすると、「動画をアップロード」画面に移行します。
予約投稿を設定する
「ファイルを選択」から投稿したい動画を選択し、「キャプション」「サムネイル」「動画の公開範囲」「ユーザーに許可する項目」に記入し、「動画を予約投稿」ボタンをONにします。すると「予約投稿用に動画を保存しますか?」とポップアップが出るので、「許可する」をクリックしてください。
次の画面で「動画を投稿予約」の下に表示されるボタンで投稿日時を設定します。その後、「著作権侵害のチェックを実行」ボタンをONに切り替えられるようになります。
問題なければ「投稿予約」をクリックしてください。
TikTokでおすすめの投稿時間は?
TikTokをマーケティングに活用する場合や多くのターゲットに視聴してほしい場合、投稿するタイミングを適切に選ぶことも重要です。ここではTikTokを投稿するおすすめの時間帯について解説します。
通学・通勤の時間帯
電車やバスで移動中にスマホを見る人という人は多く、それだけTikTokへのアクセスも多くなるため、通学・通勤の時間帯に投稿すると閲覧数が上がりやすくなります。特に、月曜日から木曜日は夕方以降よりも午前中のほうがTikTokへのアクセスが増えると言われています。
具体的には朝の6:00~10:00が通勤・通学の時間帯が投稿にベストな時間帯です。この時間帯に投稿すれば、学生から社会人までの幅広い年齢層に動画を視聴してもらいやすくなります。
学生が帰宅する時間帯
総務省の調査によると、若者のスマートフォンの保有率(2020年)は6〜12歳で45.3%、13~19歳で93.1%、20~29歳は105.7%となっています。TikTokには特に10代のユーザーが多いため、中学生・高校生が帰宅する時間帯の15:00〜18:00も閲覧数を稼ぎやすいでしょう。
学校からの帰宅途中に友達と一緒にTikTokを視聴する学生が多いので、「あるある」ネタ動画やダンス動画など、10代に人気の高いテーマの動画を選ぶと、さらに閲覧されやすくなります。
参考:身近で進む「デジタル化」、普及率はどれくらい?ソフトバンクニュース
社会人が帰宅する時間帯
帰宅途中にスマホを見ることが多いのは社会人も同様のため、社会人が仕事を終えて帰宅する時間帯もTikTokの投稿に適しています。具体的には18:00〜20:00です。
ただし、この時間帯を狙って投稿する人気クリエイターも多いので、競合の動きをリサーチしたうえで少し投稿時間を変えるといった工夫をすると良いでしょう。
就寝前の時間帯
就寝前にあたる22:00〜深夜は自宅でのんびりと過ごす人が多く、ベッドに入ってから眠りに落ちるまでスマホをいじっている人も少なくありません。そのため、この時間帯もTikTokへのアクセス数が増えます。
特に、00:00前後はアクティブユーザーの多さに比べて投稿数が少ない傾向があるため、この時間帯に投稿すると目立ちやすくなる可能性があります。深夜のどのタイミングがベストか、投稿ごとの分析を活用しながら試してみると良いでしょう。
おすすめの曜日は金曜・土曜
金曜・土曜は翌日が休日の学生・社会人が多く、TikTok利用時間も他の曜日より長くなる傾向があります。その分、「いいね」やコメントを付けてもらいやすくなると言われています。
「いいね」・コメントが多いとエンゲージメント率が上昇してTikTokから「人気の高い動画」と評価され、おすすめ欄に表示される可能性が上がります。それによって、さらに閲覧数増加につながるのです。
逆に、月曜・水曜はエンゲージメント率が低い傾向があります。
アカウントごとの最適な時間はインサイトで分析する
上で投稿におすすめの時間帯について述べてきましたが、TikTokの投稿を閲覧されやすい時間帯はユーザーの属性によっても異なります。たとえば、自営業の人や夜間に仕事をしている人がTikTokを覗くタイミングは上記で紹介した時間帯と違ってくるでしょう。
そこで、自分のアカウントのメインターゲットに届きやすい時間帯を把握するために、「インサイト」を活用しましょう。
「インサイト」では「エンゲージメント」「フォロワー数」「コンテンツ」を確認できます。「フォロワー数」の中にある「フォロワーアクティビティ」を見ると、日付・時間ごとにフォローされた数が棒グラフで表示されます。ただし、「フォロワーアクティビティ」機能を利用するためにはフォロワー100人以上が必要です。
TikTokの予約投稿機能を活用しよう
TikTokブラウザ版でビジネスアカウントに切り替えると、動画の予約投稿機能を使えるようになります。投稿を見てもらいやすい時間帯はターゲットユーザーによって異なるため、「インサイト」を活用しながら投稿のベストタイミングを把握し、投稿すると良いでしょう。
SNS管理・分析など幅広いソリューションを提供するMeltwaterでもTIkTokの予約投稿や分析が可能です。くわしくは、以下のページをご覧ください。