2023年、InstagramやFacebookを運営するMeta社が新SNS「Threads(スレッズ)」をリリースしました。公開初日には3,000万回のダウンロードを記録。公開後わずか5日間でユーザー数1億人を突破し、Instagramの2年半、TikTokの9ヶ月、そして歴代最速記録だったChatGPTの2ヶ月を大きく上回りました。
しかしながら、リリース3週間後にはメタの最高経営責任者(CEO)であるザッカーバーグ氏自身が「Threads(スレッズ)」の利用者が半分以下になったことを認めるなど、当初の勢いが低下傾向にあるのも気になります。
この記事では、そんなThreadsの特徴やX(Twitter)との違い、使い方などを徹底解説していきます。Meltwaterのソーシャルメディア分析ツールを用いて分析した、Threadsの話題性についても説明しています。「ThreadsってどんなSNS?」「Threadsを使うべきか悩んでいる」などという方は、ぜひ参考にしてください。
Threads(スレッズ)とは?
ThreadsとX(Twitter)の違い
Threadsのメリット・デメリットとは?
Meltwaterの調査結果
Threadsの基本的な使い方
Threadsの登録方法
まとめ
Threads(スレッズ)とは?
Threads(スレッズ)とは、Instagramを使ってログインできる、テキストベースの最新SNSのことです。写真や動画、リンクに加えて、最大500字のテキスト投稿に対応。Instagramの強みを活かしつつ、テキストでの共有が新たに取り入れられたSNSであることが特徴です。
Threadsは、Meta社のInstagramチームによって開発され、2023年7月6日(日本時間)にリリースされました。リリース初日に3,000万回のダウンロードを記録し、わずか5日目には登録者が1億人を突破するなど、ユーザー数を急速に伸ばしています。
Threadsのユーザー数が急激に増えた背景には、イーロン・マスク氏がTwitterを買収してからの経営混乱も挙げられるでしょう。Twitterのロゴや名称までも変わり、2023年7月には閲覧可能数の制限、8月にはブロック機能廃止への方針を突然表明しました。
X(Twitter)の迷走の結果、代わりとなるSNSを探しているユーザーが多いことも推測できます。
ThreadsとX(Twitter)の違い
上記のインフォグラフィックは、ThreadsとX(Twitter)のオーナーやユーザー数、機能などを比較したものです。どちらのSNSもテキストベースという点で共通しているものの、投稿できる文字数や写真数、ユーザー課金の有無など、さまざまな違いがあります。
ThreadsがX(Twitter)と大きく異なる点は、投稿の自由度の高さです。投稿できる文字数や写真の枚数、動画の時間などの制限が緩く、自分の考えやアイデアをクリエイティブに共有しやすいのが特徴です。
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Threads | X (旧Twitter) | |
---|---|---|
投稿文 | 500字 | 140字 |
写真投稿数 | 10枚まで | 4枚まで |
動画添付時間 | 5分まで | 2分20秒まで |
一方、ThreadsがX(Twitter)と比較して劣っている点は、使える機能が少ないことです。まだ公開されて日が浅いSNSということもあり、下書き保存やダイレクトメッセージ、トレンド表示ができないなど、使える機能はやや限定的だと言えます。
Threads | X (旧Twitter) | |
---|---|---|
下書き保存 | できない | できる |
投稿の固定 | できない | できる |
ダイレクトメッセージ | できない | できる |
トレンド表示 | なし | あり |
ヘッダー | なし | あり |
ただし、Threadsでは随時アップデートを行っています。2023年7月19日に行われた、サービス開始後初のメジャーアップデートでは、翻訳機能やフォロータブなどの機能が追加されました。また、Threadsは当初アプリ版のみでブラウザでは利用できませんでしたが、2023年8月25日(日本時間)にWeb版がリリ
ースされました。Webブラウザ版では、写真や動画の投稿、他人の投稿への返信やリポスト、ユーザーのプロフィール検索や通知の確認も可能となっています。
Threadsの機能面は、今後より充実していくことが期待できます。
Threadsのメリット・デメリットとは?
他の主要SNSと比較したTreadsのメリットとデメリットを見ていきます。
メリット
Threadsが優れている点は、主に以下の3つです。
- 最大500字まで投稿できる
- 完全無料で利用できる
- Instagramとの連携が強い
<最大500字まで投稿できる>
X(Twitter)では、無料アカウントだと投稿できるテキストは最大140字までですが、Threadsでは最大500字まで投稿が可能です。より自由に想いを綴ったり情報を発信したりすることができるため、これまで140字が短いと感じていた方からすると使い勝手が良いでしょう。
X(Twitter)でも「Twitter Blue」の長文ツイート機能を使えば最大500字での投稿が可能ですが、有料です。
<完全無料で利用できる>
Threadsでは、すべての機能を無料で利用できます(2023年8月時点)。以前のTwitterと同じような使い方です。現在のX(Twitter)には、有料サブスクリプションサービス「Twitter Blue」が導入されています。
Threadsの完全無料という特徴を活かして、InstagramやX(Twitter)など他のSNSを運用しながら外部への影響力を付加しておくことで、将来的に高い費用対効果が見込めるでしょう。
<Instagramとの連携が強い>
Threadsは、Instagramとの連携が強いことも特徴です。Instagramのアカウントでログインできる上、Instagramですでに繋がっているプロフィール文やフォロワーを引き継ぐことができます。
すでにInstagramを通じて多くのユーザーと繋がっている企業・ビジネスの場合、スムーズにThreadsへ移行が可能です。Instagramで投稿したコンテンツを再活用するなど、2つのSNSを上手に組み合わせて運営していくことで、Threadsのフォロワーを効率良く増やすことができます。
デメリット
一方で、他のSNSと比較したThreadsのデメリットは、主に以下の3つです。
- 使える機能が少ない
- ビジネス向け機能がない
- Threadsのみのアカウント削除ができない
<使える機能が少ない>
Threadsはまだ新しいSNSということもあり、他のSNSと比較して機能面で劣っています。キーワード検索やハッシュタグ投稿、ダイレクトメッセージなどの機能が実装されていないため、X(Twitter)やInstagramの仕様に慣れていると、物足りなさを感じるかもしれません。
<ビジネス向け機能がない>
また、Threadsには、企業・ビジネスでの利用を前提としたビジネスプロフィールや広告配信など、ビジネス向け機能がありません(2023年8月時点)。企業・ビジネスが直接収益に結びつける方法はないため、現時点ではあくまでも影響力を付加したり、Threadsから他のSNSや自社サイトに誘導したりといった使い方がメインになります。
FacebookやInstagramを運営するMeta社が開発したサービスであることから、今後ビジネス向けの機能が追加される可能性は十分にあると言えます。
<Threadsのみのアカウント削除ができない>
最後に、ThreadsはInstagramと完全に紐づいており、片方だけのアカウントの削除はできません。また、それぞれのSNSを別々に運用したい場合も、片方のアカウントやユーザー名でもう片方のアカウントが特定される可能性が高いといえます。
Threadsを継続利用しない場合は、アカウントの利用停止で対処が可能ですが、完全に削除するにはInstagramのアカウント削除も必要になる点に注意しましょう。
Threadsでは、今後X(Twitter)をはじめとした他のSNSに対抗すべく、機能の拡充が行われていくことが予想されるため、上記で紹介したデメリットが改善される可能性は十分にあります。
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Meltwaterの調査結果
AIを活用したメディアモニタリングを行うグローバル企業「Meltwater」が提供するツールを用いて、日本国内でのX(Twitter)におけるThreadsの話題性の高さを調査・分析しました(調査期間:2023年7月5日〜2023年7月29日)。
調査結果をもとに、以下の4点について解説していきます。
- X(Twitter)での話題性
- 最もリツイートされたThreadsに関する話題のツイート
- Threadsの共起ワード
- Threadsを話題にしている人の男女比
X(Twitter)での話題性
まず、Meltwaterのソーシャルメディア分析ツール「エクスプロア」を用いて、「Threads」というワードを含むツイート数を調査しました。
Threadsへの言及数が最も多かったのは、リリース前日の7月5日でした。トータルで約37万回言及されており、リリース前から関心度の高さがうかがえます。リリース当日は13万回、2日後は4万6千回の言及数を獲得しました。
言及数は時間の経過とともに減少傾向にあるものの、7月後半に入っても毎日3〜8千近くの言及数を獲得していたことから、常に一定数の人がThreadsに興味関心を向けていたことがわかります。
最もリツイートされた話題のツイート
X(Twitter)では、Threadsに関するさまざまな投稿が話題になりました。以下は、最もリツイートされた回数が多かった投稿のランキングです。
順位 | アカウント名 | URL | 内容 | RP数(2023年8月8日時点) |
---|---|---|---|---|
1 | ライブドアニュース | https://twitter.com/livedoornews/statuses/1677095675358769152 | 米Twitter、Threadsが知的財産権を侵害していると主張 | 3,326 |
2 | Testosterone | http://twitter.com/badassceo/statuses/1677892464336834560 | Threadsのアカウント立ち上げのお知らせ | 1,119 |
3 | ライブドアニュース | https://twitter.com/livedoornews/statuses/1682939840763920385 | 「Threads」利用者、2週間で約7割減 平均利用時間も19分から4分に | 886 |
4 | ファッションプレス | http://twitter.com/fashionpressnet/statuses/1676799218747580416 | Threadsのアカウント立ち上げのお知らせ | 593 | 5 | 前澤友作 | http://twitter.com/yousuck2020/statuses/1676797586861338624 | ThreadsとInstagramの連携の強さについて | 535 |
Threadsの動向や、人気公式アカウントがThreadsを使い始めたことに多くのユーザーが興味を示していることが、この調査からわかりました。
Threadsの共起ワード
続いて、Meltwaterの分析結果をもとに、X(Twitter)で「Threads」と最も一緒に利用されているキーワード(=共起ワード)をランキング形式で紹介します。
共起ワードを把握することで、人々がThreadsに対してどのような関心を示しているのかが見えてきます。Threadsのトレンドを掴む一つの目安として確認していきましょう。
順位 | 共起キーワード | 言及数 |
---|---|---|
1 | フォロー | 3,482 |
2 | タイムライン | 1,434 |
3 | threads | 1,182 |
4 | フォロー相手 | 1,163 |
4 | フォロー相手 | 1,163 |
5 | 新機能 | 1,151 |
Threadsに関するツイートでは、「フォロー」「タイムライン」「フォロー相手」「新機能」などが多くつぶやかれています。Threadsを実際に使った感想や、フォローの仕方やフォロー相手の見方などの使い方、および新機能に興味関心があると考えられます。
新しいSNS「Threads」の登場を俯瞰して見ている人よりも、実際に使用している、または使用する予定がある人が多くいるのだとも推測できます。
Threadsを話題にしている人の男女比
以下の円グラフは、Threadsを話題にしている人の男女比を表しています。
この調査結果からは、男性よりも女性のほうが、新しいSNS「Threads」により関心を示していることがわかります。
日本国内でのInstagramユーザーは、他のSNSと違い男性より女性のほうがやや多いのが特徴で、このことが影響しているのかもしれません。
モバイル社会研究所の「2021年一般向けモバイル動向調査」によると、特に10~30代の女性の利用率と投稿率が男性よりも大きく上回ることがわかります。
Threadsの基本的な使い方
Threadsを使ってみたい人に向けて、基本的な使い方を説明します。
- テキスト投稿
- 画像・動画投稿
- 「いいね」機能
- シェア、リポスト機能
テキスト投稿
Threadsでは、アプリ画面下中央にあるノートとペンのようなマークの「新規作成ボタン」からテキスト投稿を作成できます。文字数の制限は最大500字です。投稿画面はX(Twitter)とよく似ているので、X(Twitter)を使ったことがある人なら迷わずに投稿できるでしょう。
画像・動画投稿
投稿画面では、画像や動画を添付することが可能です。テキスト入力部分の下にある「クリップ」ボタンをタップして、添付したい画像や動画を選べます。画像は最大10枚まで、動画は最大5分まで投稿できます。
また、画面下に表示される「すべての人が返信できます」をタップすると、投稿に返信できる人を設定することも可能です。「すべての人」「フォロー中のプロフィール(自分がフォローした人のみ)」「メンションのみ(自分がメンションをつけた人のみ)」の3種類から設定できます。返信できる人を限定することで、誹謗中傷の原因となる悪質な投稿を防ぐことも可能です。
「いいね!」機能
Threadsには、InstagramやX(Twitter)と同様、気に入った投稿にワンタップで「いいね!」できます。なお、自分の投稿のいいねの数を見られたくない場合は、投稿の右上に表示されるメニューバーから「『いいね!』数を非表示」をタップすることで非表示にすることが可能です。
プライバシー設定から全てのいいねを非表示にすることもできますが、Instagramでも同様の設定となるため注意してください。
再投稿、引用機能
Threadsでは、X(Twitter)と同じように投稿の再投稿と引用が可能です。
- 再投稿:他の人の投稿を自身のアカウントから再投稿する機能(=Xのリツイート機能)
- 引用:他の人の投稿を自分のコメント付きでリポストする機能(=Xの引用リツイート)
投稿の下に表示されている2つの矢印マークの「再投稿」ボタンをタップすると、「再投稿」または「引用」を選んでアクションを起こすことができます。
Threadsの登録方法
ここでは、Threadsの登録方法を紹介します。
Threadsを利用するには、Instagramアカウントの所有が条件となります。Instagramアカウントを持っていない場合は、その作成から始めましょう。
- Instgramアカウントを作成する(既にアカウント開設済みの方は2へ)
- Threadsのアプリをダウンロードする
- アプリを開く
- 「Instagramでログイン」をタップしログインする
- プロフィール設定を行う
- プライバシー設定を行う
- Instagramと同じアカウントをフォローするか設定する
- 「Treadsに参加する」をタップして完了
既にInstagramアカウントを所有している人であれば、Threadsはアプリをダウンロードするだけで簡単に始められます。プロフィール設定では、自己紹介文をInstagramからそのままインポートすることもできるので、初期設定の手間もかかりません。
Threadsへの登録が完了したら、アプリ内の機能を試してみましょう。Threadsは、他のSNSと比べてシンプルな作りになっているので、SNSを使い慣れている人もそうでない人も、すぐに使いこなせるでしょう。
まとめ
今回は、2023年7月にリリースされた新SNS「Threads」について徹底解説しました。
Threadsは、X(Twitter)に酷似したテキスト共有SNSです。Meta社のInstagramチームが開発したアプリであることから、「利用者が自分のアイデアを表現できるクリエイティブな場」というInstagramの強みが強く出ているのが特徴です。テキストをベースに、興味関心が近い友人やクリエイターとつながれるプラットフォームとして、今後さらに人気を高めていくことが予想されます。
X(Twitter)は長年多くのユーザーに使われてきた強みがありますが、Threadsがユーザー数を増やしていけば、X(Twitter)の代替として定着する可能性も十分にあると言えます。Threadsがどのように成長していくのか、今後の動向に注目です。
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この記事の監修者:
岡田敬子 (Meltwater Japan マーケティングマネージャー)
武蔵野美術大学卒。グラフィックデザイナー・B2C領域のマーケティングで17年の経験を積む。2022年よりMeltwater Japan株式会社にて日本市場のマーケティングを担当し、「データに基づく意思決定」を後押しするMeltwaterソリューションの認知度向上のための施策に従事。