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ペルソナ分析とは?主な設定項目や手順、注意点を解説

ペルソナ分析とは?主な設定項目や手順、注意点を解説


宮崎桃

May 7, 2024

マーケティングに取り組む上で、顧客がどのようなニーズを抱え、どういった点に困っているのかといった点を考えることは重要です。

そこで役に立つのがペルソナ分析という手法です。

この記事ではペルソナ分析について、概要やメリットなどを踏まえつつ、主な設定項目や手順、注意点を解説していきます。

ペルソナ分析とは?

ペルソナ分析とは、ターゲット顧客の具体的な人物像を設定するマーケティング手法です。顧客視点に立った製品・サービスの企画や販促などを実現するために、活用されます。

そもそもペルソナとは、心理学者であるカール・グスタフ・ユングが提唱した概念であり、「人間の外的側面:周りの環境に合わせて使い分ける人格」を表す言葉として使われていました。

マーケティングにおいては、元の意味から発展させ、想定される顧客像を表す用語として活用されています。

「ターゲット」も、同じく想定される顧客像を意味しますが、「20代後半・男性・会社員」といった属性を集約した概念であり、具体的な人物像とは異なります。

ペルソナはターゲット像をベースに、価値観や趣味嗜好いった詳細情報を加えて、顧客の人生ストーリーにまで落とし込むのが特徴です。

Difference between persona and target.

ペルソナ分析の活用方法

ペルソナ分析はマーケティングの様々なシーンで活用できます。

代表的なものとしては、以下のような活用方法が挙げられます。

  • 製品・サービスの開発
  • 広告やプロモーションの企画
  • オウンドメディア制作

それぞれ見ていきましょう。

1. 製品・サービスの開発

ペルソナ分析では、顧客が抱えている悩みや価値観まで把握できるため、製品・サービスの開発に役立てることが可能です。

顧客の声を収集し、機能性とデザインのどちらを重視しているのかなど分析するうちに、それまで気づかなかった視点から新しい発想が得られるかもしれません。「顧客はこういうものを好むはずだ」という思い込みを見直す機会にもなります。

ペルソナは一定ではなく、時代によって変化します。ペルソナ分析を続けることで、実態に即した製品・サービスの開発ができるでしょう。

2. 広告やプロモーションの企画

ペルソナ分析を行うことで、適切な広告媒体の選定ができます。顧客が活用しているメディア媒体やSNSなどを把握できるためです。

また顧客の傾向を知ることで、刺さりやすいメッセージやデザインなども検討しやすくなります。クリエイティブの制作やプロモーションの企画にも活かせるでしょう。

3. オウンドメディア制作

コーポレートサイトやビジネスブログなどのオウンドメディアを立ち上げる場合、どういった読者をターゲットとするかを事前に検討する必要があります。

ペルソナ分析を行うことで、ターゲット読者像を明確化できるため、最適なコンテンツを企画したり、ユーザビリティの観点でフォントやデザインを調整したりできます。

ペルソナ分析のメリット

ペルソナ分析を実施するメリットとしては以下の点が挙げられます。

1. 顧客の立場で考えられる

ペルソナ分析を行うことで、顧客が必要としているものがより明確になり、顧客の立場で製品・サービス作りができます。コンテンツ内容やプロモーションもペルソナに響く内容が作れるため、ファンの増加や企業のイメージアップにも繋がるでしょう。

ペルソナと併せてカスタマージャーニー(各購買プロセスにおける顧客ニーズや行動などをまとめたもの)を作成することで、顧客への理解をさらに深められます。

2. 社内で認識のずれを防ぐことができる

ペルソナを確立しておくことで、マーケティングやセールスに関わる関係者全員で共通認識を持つことができます。

ターゲット像について認識のずれを防ぐことで、顧客に向けてのアピールに一貫性が出ます。顧客との信頼関係を築く上でも有効です。

マーケティング業務についてアウトソースしている場合においても、外部協力会社と顧客像を共有する際にぺルソナ分析を用いれば、よりわかりやすく伝えることができるでしょう。

3. 製品やプロモーションの訴求力が向上する

ペルソナ分析によってターゲット顧客について深く考察することで、製品・サービスや各プロモーション施策の訴求力を高められます。

年齢や性別といった情報しか把握できていない顧客と、趣味や価値観、休日の過ごし方などまで把握している顧客とでは、伝えるべきポイントが大きく異なることは言うまでもありません。

ペルソナ分析によって、顕在ニーズだけでなく潜在的なニーズまで考察することで、競合他社と差別化した製品・サービスやプロモーションを実現できるでしょう。

ペルソナ分析のデメリット

ペルソナ分析には多くのメリットがありますが、相応の手間もかかります。

顧客へのインタビューやアンケートを実施したり、その情報を分析したりするためです。

これまでの事業活動において蓄積してきたデータのみを頼りにペルソナ分析すると、新たな顧客層をターゲットとする必要が生じた際に対応できないことがあります。そのため、最新情報の収集・分析が必要になります。

他にも誤った認識を基にペルソナ分析をしてしまうと、求められていない製品・サービスの開発や、誰にも刺さらないプロモーションの企画をしてしまう可能性がある点も留意してください。

ペルソナ分析の主な設定項目

ここでペルソナ分析において設定される主な項目についてご紹介します。

BtoB企業向けの項目BtoC企業向けの項目
・企業規模
・従業員数
・拠点数や進出エリア
・上場/非上場
・業種やビジネスモデル
・社風やスタンス
・将来の事業戦略
・担当者の役職
・対象業務領域(営業や経理など)
・抱えている課題や困りごと
・現在利用しているツールやシステム
・氏名
・年齢
・性別
・居住地/出身地
・家族構成
・職業や学歴
・世帯年収
・趣味/嗜好
・愛好しているブランド
・平日/休日の過ごし方
・情報収集に使っている方法
・現在困っていること

ペルソナ分析の手順

続いてペルソナ分析の手順について、以下のステップに分けて解説します。

1. 自社分析をし、ターゲットを設定する

まずは、現状把握のため自社分析を行います。自社の強みを見つけ出し、ターゲット層を設定するのが狙いです。

自社分析には、3C分析やSTP分析などのフレームワークを活用する方法があります。

3C分析は、自社を取り巻く環境を「Customer:顧客・市場」「Competitor:競合」「Company:自社」の3つのCに分けて、分析するフレームワークです。

STP分析は、顧客を年齢や性別、購買頻度などの属性に応じていくつかのセグメントに分類し、そのセグメントからターゲットセグメントを選んだ上で、自社の取るべきポジションを検討する手法です。

自社の訴求ポイントを洗い出し、現在の顧客層のほかにもターゲットになり得る層がないか確認してみましょう。

2. ターゲット情報を収集する

次に、ターゲット層に関する情報を収集します。

情報収集方法としては以下のようなものが挙げられます。

情報の種類収集方法
CRMなどに蓄積されたデータ過去の営業やマーケティング活動を通じて
蓄積された商談情報や
購買データなどを収集する。

Webサイトの
アクセス解析データ
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールに蓄積された、
Webサイトへの訪問履歴や行動といったデータを収集する。

各種統計データ厚生労働省や総務省統計局などが公表している
年収や人口といった統計データを参照する。
他にも大手リサーチ会社などが提供する公開レポートなども活用できる。

インタビューターゲットに対して個別のインタビューを実施する。
生の声を聞くことで、統計データなどでは
把握しにくい定性的な情報を集める手法。

アンケートターゲットに対してアンケートを実施する。
一度に多数の情報を集められるという強みがある。

SNSの投稿X・Instagram・Facebookなど、SNS上の投稿からターゲットの声を集める。
自社の製品・サービスに対する顧客の本音を知ることができるほか、競合他社の分析にも役立つ。

3. ペルソナの詳細を設定する

Persona setting

収集したターゲット情報をいくつかの項目に分類し、ペルソナを設定します。項目は、年齢層・居住地・職業・休みの日の過ごし方・よく使用するSNSなどです。項目に当てはまる人数が多いほど重要な項目であり、ペルソナを絞り込みやすくなります。

最終的に、ペルソナの今までの動きをストーリーに落とし込むことができれば、なぜ自社の製品・サービスを必要としているのかが見えてきます。ペルソナの外見を表す画像を雑誌やWebサイトなどから探し、イメージ写真として設定しておくと、より一層具体的にイメージすることができるでしょう。

以下は、独立したい人向けに開業支援やセミナーなどのサービスを提供している企業が設定したペルソナの例です。

項目内容
世帯収入450万円
学歴地元である大阪の私立大学の商学部を卒業
仕事ベンチャー系広告代理店でセールスライターとして勤務
趣味 トレッキング
平日の過ごし方 朝7:30に家を出て、8:00頃にオフィス近くのカフェでコーヒーを飲みながら、広告や独立開業に関する本を読む。
9:00〜20:00頃まで働き、帰宅後は独立に向けた勉強をしている。

休日の過ごし方 土日が休みであるため、一日は家族との時間に充て、もう一日は趣味のトレッキングに出かけたり、独立の準備をしたりしている。
また書店に足を運び、広告関連の書籍を見に行くことも。

情報収集方法 ・XとFacebook
・広告やマーケティングなどに関するオンラインメディア
・独立や起業関連のオンラインメディア
課題・悩み事 独立したいと考え、書籍やオンラインメディアなどを中心に情報を収集しているものの、どれも同じようなことを言っていて、本当にこのやり方や考え方を採用していいか不安を感じている。
また独立にあたってフリーランスがいいのか、それとも法人がいいのか、色々な情報をあたっても一長一短で、家族がいる自分にとってどちらがいいのか迷っている。

ストーリー 子どもの頃から、自然の中で遊んだり人の話を聞いたりするのが好きだった。セールスライターの仕事は話すよりも聞くほうが重要なので、それなりに向いている仕事だと思っている。
現在の職場で様々な顧客の取材に同行するうちに、より多くの顧客と直接提案のやりとりをしたいと思うようになった。また、先輩たちの起業ストーリーなどを聞いているうちに、自分も独立したい思いが強くなった。
そこで1~2年先を目途に独立することを目指すことにした。

4. ペルソナを社内で共有する

作成したペルソナは社内の関係者で共有し、オウンドメディアの制作やプロモーションの企画、製品・サービスの開発に役立てましょう。

ペルソナを決定する前に、各関係者からのフィードバックを基に改善や調整を行うことで、より実態に即したペルソナに仕上げることができます。

ペルソナ分析を行う際の注意点

Points to bear in mind when conducting persona amalysis.

次にペルソナ分析を行う際の注意点をご紹介します。

1. 目的を明確にする

ペルソナ分析を行う際は、まず目的を明確にしてから行うことがポイントになります。

製品・サービスの企画のために新たなアイディアがほしいのか、それともオウンドメディア立ち上げのため認知を広げたいのかなど、社内全体で確認しておきましょう。

目的がないまま習慣的にペルソナ分析を行っても、活用できなければ工数が無駄になるだけです。まずは目的を明確にした上で、必要な項目に絞ったわかりやすいペルソナを設定することが、重要になるでしょう。

2. 理想や先入観に囚われない

理想や先入観に囚われてしまうと、間違ったペルソナを設定してしまう恐れがあります。

自社にとって都合のいい理想を詰め込んだり、「きっと顧客は○○だろう」と想像だけで作ったりしてしまえば、製品企画やプロモーションの精度を高めることはできません。

これまでの活動で得られたデータや、実際に顧客から聞き出した情報を基にして、はじめてリアルで実効性のあるペルソナを設定できるのです。

理想や先入観に囚われないためにも、マーケティングなどの関係者でチームを組み、様々な意見を取り入れた方がよいでしょう。

3. 定期的にブラッシュアップする

ペルソナは一度設定して終わりではなく、定期的にブラッシュアップする必要があります。

顧客のニーズや課題は刻一刻と変化し、これまで高い訴求力があったプロモーションであっても、来年も同じように効果を発揮するとは限りません。

そのため、精度の高いペルソナを維持し続けるには、日々のマーケティング活動で得られた情報などに即しながら、ブラッシュアップしていく必要があります。

ペルソナ分析に役立つMeltwater

Meltwater hepls you analyze personas

Meltwaterはソーシャルメディア分析ツールを提供しており、オンラインメディアやSNSといった様々なデータソースから、市場や消費者の声をリアルタイムに把握することが可能です。

インタビューやアンケートだけでは収集しきれない、より広範にわたる顧客に関する情報を分析できるため、精度の高いペルソナ分析を実現できます。

まとめ

今回はペルソナ分析について概要やメリット、設定の手順などを解説してきました。

ペルソナ分析は、顧客の行動や価値観が多様化する現代のマーケティング活動において欠かせないものです。

昔のようにマス向けの製品・サービスでは顧客に商品価値が届きにくいため、ペルソナを設定した上で、顧客目線に立った製品企画やプロモーションを行う必要があります。

ぜひこの記事を参考に、ペルソナ分析に取り組んでいただければ幸いです。

この記事の監修者:

宮崎桃(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

国際基督教大学卒。2016年よりMeltwater Japan株式会社にて新規営業を担当。 2020年よりエンタープライズソリューションディレクターとして大手企業向けのソリューションを提供。 ソーシャルメディアデータ活用による企業の課題解決・ブランディング支援の実績多数。 趣味は映画鑑賞、激辛グルメ、ゲーム

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