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SNS監視とは?重要性や監視方法、炎上を検知した際の対策を解説

SNS監視とは?重要性や監視方法、炎上を検知した際の対策を解説


山﨑伊代

Sep 2, 2024

SNS上のネガティブな投稿への対応に頭を悩ませている広報担当者の方もいるのではないでしょうか。SNSの影響力が増す中、適切な監視と迅速な対応は企業の評判を左右する重要な要素となっています。

本記事では、SNS監視の重要性ややり方に加えて、炎上時の対策を詳しく解説します。ブランドイメージを守り、顧客との良好な関係を築くためにも、ぜひお役立てください。

SNS監視とは?

SNS監視とは、自社に関するSNS上の投稿を監視する取り組みです。自社の評判を管理するレピュテーションマネジメントの重要な要素の1つです。SNS監視の対象になるのは、X(Twitter)・Facebook・Instagram・TikTokなどの投稿で、自社名や自社製品名が出てくる投稿を検索で見つけ出し内容を確認します。

SNS監視の主な目的は、自社に関するネガティブな情報を発見し、早期に対処することです。例えば、「この店の従業員の態度が悪い」という投稿を見つけたら、速やかに状況を調査し必要な改善策を講じることができます。

また、SNS監視はマーケティングにも応用できます。「このサービスの◯◯が不便」という顧客の生の声は、サービス改善のヒントになるでしょう。

SNS監視の重要性

現代では、SNS監視は企業の危機管理に欠かせない取り組みです。スマートフォンの普及により、誰もが瞬時に情報を発信・拡散できる時代となり、企業の評判が一夜にして傷つく可能性が高まっているからです。

例えば、製品の欠陥や従業員の不適切な行動に関する投稿が、数時間で数万人に共有されることもあります。こうした事態に素早く対応しなければ、企業イメージの低下や売上減少などの深刻な影響を招きかねません。

また、SNS上には誤情報や悪意ある噂も存在します。これらが広まる前に対策を講じることで、風評被害を最小限に抑えられます。SNS監視は、企業を守る「デジタル時代の保険」と言えるでしょう。

SNSを監視する3つの方法

SNSを監視する3つの方法

SNSを監視する方法は主に3つあります。

  1. 目視で確認する
  2. 外部に委託する
  3. ツールを活用する

それぞれに特徴があり、企業の規模や目的に応じて最適な方法を選択することが重要です。

1. 目視で確認する

目視によるSNS監視は、低コストですぐに始められる方法です。

具体的には、X(Twitter)の検索サービスであるYahoo!リアルタイム検索などの機能で、自社名や製品名などをキーワードとして入力し投稿を探します。複数の単語の組み合わせや、ハッシュタグでの検索も可能です。


目視の場合、人間が直接チェックするため、文脈を理解した上でネガティブな投稿かどうかの判断ができるのがメリットです。初期コストがかからず人件費のみなので、小規模な企業でも実施できます。

しかし、チェックできる投稿数に限りがあり、24時間の監視は困難です。担当者ごとに判断がバラバラになってしまうケースもあるでしょう。1日の関連投稿が数十件程度の企業には適していますが、大量の情報を扱う場合は効率が悪くなります。

2. 外部に委託する

SNS監視を外部の専門会社に任せる方法もあります。経験豊富な専門家により精度の高い分析ができ、24時間体制で投稿を監視してもらうことが可能です。AIと組み合わせてスピーディな監視を行っているところもあります。

多くのサービスでは、問題のある投稿を見つけると、すぐに企業側に連絡が入ります。トラブルが大きくなる前に対応できるのが大きなメリットです。サービスによっては、どのように対応したらいいかアドバイスをもらえるところもあります。

難点は、費用が高くなりがちなことです。社内にSNS監視のノウハウが蓄積されにくいというデメリットもあります。外部委託は、自社でSNS監視を行う人員や知識が不足しているような、中規模以上の企業に向いているでしょう。

3. ツールを活用する

SNS監視の専用ツールを活用する方法もあります。ツールを用いれば、設定したキーワードに基づいて自動的にSNS上の投稿を収集し、分析することが可能です。

多くのツールでは、気になる言葉が含まれた投稿を即座に通知してくれる機能や、一定期間の投稿内容をまとめて報告してくれる機能があります。中には、X(Twitter)のすべての投稿をリアルタイムで監視できる高性能なものもあります。

24時間休みなく監視を続けられる点と、大量の投稿を素早く処理できるのがメリットです。多くのツールにはデータをグラフや表にまとめるレポート機能が付いているため、専門知識がなくてもデータの傾向を把握しやすいでしょう。

ただし、設定したキーワードに当てはまらない重要な情報を見逃す可能性があることや、文脈を正確に理解するのが難しい点には注意が必要です。SNS上に投稿されることが多い企業や、データ分析を重視する企業に特に適していますが、重要な判断をする際には人の目で最終確認することをおすすめします。

ツールの活用は危機管理を含め、自社のイメージや競合他社の動きなどを把握してビジネスに活かす、ソーシャルリスニングに役立ちます。

SNSで炎上を検知した際の対策

SNSでの炎上は企業にとって大きな危機となり得ます。適切な対応を行うために、以下の3つのステップを押さえることが重要です。

  1. 状況の把握と記録
  2. 対応方針の決定
  3. 対応の実施とフォローアップ

1. 状況の把握と記録

SNSで炎上を発見したら、冷静に状況を把握することが重要です。まずは問題となっている投稿のURLやスクリーンショットを保存しましょう。事後対応や分析に不可欠です。

次に、炎上の原因と規模を正確に理解します。何が批判されているのか、事実に基づいた意見なのか、どのくらいの人々が反応しているのかを確認します。この際、拡散の可能性も考慮すると良いです。影響力のある投稿者や実体験に基づいた内容は、拡散のリスクが上がる傾向にあります。

時間とともに状況が変化する可能性があるため、常に状況把握できる体制を整えておきましょう。

2. 対応方針の決定

状況を把握したら、次は対応方針を決定します。この際、一貫性のある対応が重要です。方針が二転三転すると、炎上にさらに火を注ぐことになりかねません。

まず、社内で情報を共有し、対応チームを編成します。可能であれば、事前に危機管理マニュアルを作成しておき、それに沿って行動するのが良いでしょう。

対応の選択肢としては、謝罪や説明、反論、無視などがあります。自社に非がある場合は、迅速に謝罪する必要があります。言い訳は避け、誠意ある対応を心がけましょう。

一方、事実誤認や悪意ある投稿の場合は、冷静に事実を説明したり、法的対応を検討したりすることも必要です。弁護士に相談し、適切な対応を協議するのも一案です。

どの方針を選択するにせよ、迅速な判断が求められます。対応が後手に回ると、事態をさらに悪化させる可能性があるので注意しましょう。

3. 対応の実施とフォローアップ

方針が決まったら、速やかに実行に移します。謝罪や説明を行う場合は、公式WebサイトやSNSアカウントを通じて情報を発信すると良いでしょう。この際、必要に応じて再発防止策も提示します。

対応後も、状況の推移を注意深く観察しましょう。新たな批判や質問が出ていないか、対応が適切に受け止められているかをチェックし、必要に応じて追加の対応を行います。

また、長期的な対策も重要です。例えば、検索エンジンの補助キーワードにネガティブな言葉が表示される場合は、検索エンジン運営企業に削除を依頼することもできます。

さらに、この経験を今後の危機管理に活かすため、対応の振り返りを行い、必要に応じてマニュアルの改訂や社内研修を実施します。こうした取り組みにより、将来的な炎上リスクを軽減することが可能です。

▶あわせて読みたい:レピュテーションリスクとは?原因や事例、対策を解説

実際にあったSNS炎上の事例

SNS炎上は企業にとって深刻な影響を及ぼす可能性があります。ここでは、実際に起こった以下2つの事例を紹介します。

  1. 食品メーカーの異物混入騒動
  2. 飲食チェーン店での迷惑行為動画の拡散

1. 食品メーカーの異物混入騒動

2014年末、ある食品メーカーが深刻な危機に直面しました。消費者がSNSに同社の人気インスタント食品に虫が混入していたという画像を投稿したのです。

同社は、初めは製造過程での混入を否定しました。しかし事実関係を確認後、翌日には一転して非を認めます。発表内容が変わったことに加え、投稿者に投稿削除を依頼していたことも判明し、批判が高まりました。

同社は改善策に乗り出します。実際にはその後の調査でも製造過程に虫が混入された事実は正式には確認できなかったものの、迅速に全商品の自主回収と約半年間にわたる販売中止を決定し、工場の改善に取り組みました。同時に、経営陣が直接小売店に謝罪に赴くなど、誠実な対応を心がけました。


この結果、販売再開後の売上は中止前を大きく上回り、見事なV字回復を果たしました。この事例は、初動のミスがあっても、その後の迅速で誠実な対応により、企業の信頼回復が可能であることを示しています。

2. 飲食チェーン店での迷惑行為動画の拡散

2023年、飲食チェーン店で客による衛生面での迷惑行為がSNSで拡散され、大きな社会問題となりました。投稿内容は、客が調味料容器を舐める様子などを映した不適切な動画です。

店の対応は迅速でした。投稿された翌日に見解書を発表し、このような事態は遺憾であること、現在調査を進めていることを説明します。また自社を守るだけでなく、後日加害者が通う高校にクレームが殺到したことを受け、攻撃的な言動は控えるよう呼びかけも行いました。

客の迷惑行為により企業の株価は急落し、多額の損失が発生しました。企業側は損害賠償を求めて法的措置を取りましたが、最終的に調停で和解に至りました。SNSでの投稿が企業に与える影響の大きさが再認識された事例です。

▶あわせて読みたい:X(Twitter)の監視で企業の炎上を防ぐ5つの方法とは?炎上事例も紹介

Meltwaterの導入事例|あおぞら銀行

あおぞら銀行は2022年6月より、Meltwaterのツールであるエクスプロア(Explore)を導入し、PR活動の効果測定や危機管理に活用しています。それまでは紙媒体のクリッピングとSNSモニタリングに別々のツールを使用しており、情報の精度や鮮度に課題があったのです。

エクスプロア(Explore)の導入により、ニュースからSNSまでの幅広い情報を一元管理できるようになりました。特に、直感的な操作が可能なモバイルアプリは、隙間時間を利用していつでも最新情報を確認でき、自社にとってのリスクもいち早くキャッチできるのが魅力です。

結果として、作業効率が向上し、コスト削減も実現しました。海外での自社に対する注目度も容易に把握できるようになり、広報活動の幅を広げることにも成功しました。

今後は、収集したデータを分析してメディア戦略の立案や広報活動のKPI設定にも活用する予定です。

参考:あおぞら銀行|Meltwaterの導入事例


まとめ|SNS監視を行いブランドイメージを守ろう

SNSの影響力が高まる現代では、SNS監視は欠かせない取り組みです。自社に関するネガティブな投稿を即時に見つけ、対応することができます。SNSで炎上した際は、冷静な状況把握と迅速な対応が鍵となります。初動ミスがあっても誠実な対応で信頼回復に努めましょう。

SNS監視の具体的な方法は、目視確認、外部委託、ツール活用です。

費用を抑えつつ、効率的にSNS監視を行いたい場合は、SNS監視に役立つツールを活用してみるのも手です。企業のブランドイメージを守り、顧客の声を活かすためにも、適切なSNS監視体制を構築しましょう。

この記事の監修者:

山﨑伊代(Meltwate Japanエンタープライズソリューションディレクター)

大学卒業後、新規顧客開拓セールスコンサルタントとしてMeltwater Japan株式会社入社。
食品・生活用品・エンタメ・自動車・機械・学校法人等多種多様な企業・団体の広報・マーケティング部門のデジタル化並びにグローバル化をMeltwaterのソリューションを通して支援。 2016年~2018年グローバルセールスランキング首位。 趣味は山登りとビデオゲーム。

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